岐阜新聞Web 第89回全国高校野球熱闘岐阜大会

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大垣日大、初の決勝進出 岐阜総合は3年ぶり

 第89回全国高校野球選手権岐阜大会第9日は28日、岐阜市の長良川球場で準決勝を行い、大垣日大は関商工を3―2、岐阜総合は岐阜城北を7―3で下し、29日の決勝進出を決めた。大垣日大は、関商工の先発多田将季の緩急をつけた投球を打ちあぐね、4回に1点を先制したものの、打線がつながらず6回に逆転を許す苦しい展開。7回に増田真吾の適時打で同点、さらに敵失と北上雄太の内野ゴロの間に勝ち越したが、薄氷を踏む勝利で初の決勝進出を果たした。岐阜総合―岐阜城北は、岐阜総合の竹市真治、岐阜城北の水川真之介の両先発の投げ合い。岐阜総合は、1―1の同点で迎えた8回、敵失と主将の上野拓昭の2点適時二塁打などの連打で一挙に6点を挙げて勝ち越し、岐阜城北の反撃も2点に抑えて3年ぶり4度目の決勝に駒を進めた。大会最終日の29日は長良川球場で午後1時から大垣日大―岐阜総合を行う。

好機必打7回逆転 大垣日大

準決勝長良川 28日第1試合
関商工
大垣日大


関商工×大垣日大=7回大垣日大1死三塁、北上雄太の内野ゴロで勝ち越し。勝利への執念を感じさせた=長良川

 大垣日大が7回に逆転し、逃げ切った。
 大垣日大は、4回に箕浦の犠飛で先制。6回に逆転されたが、7回に増田の適時打で同点とした後、内野ゴロの間に増田がホームにかえり勝ち越した。先発森田は尻上がりに調子を上げて完投。
 関商工は、先発多田が粘り強く投げたが、攻撃での走塁ミスなどが響き、追い付けなかった。

◆3安打、地力で接戦制す

 強い大垣日大に初心を思い起こさせるような、ほろ苦い準決勝だった。「相手の術中にはまってしまった。いい勉強をさせてもらった」と阪口慶三監督。これまで内容、結果ともに強さを見せ付けてきた大垣日大。名将が「100%焦った。完ぺきな負けゲーム」と振り返る大苦戦をナインは何とか乗り切り、決勝までたどり着いた。
 打線が3安打と沈黙した。関商工のエース多田将季の低めに集める変化球と、緩急をつけた投球術に踊らされ、打線がことごとく不発。4番大林賢哉は「遅くて(ストライクゾーンから)逃げていく変化球を打とうとすると、体が開いてしまった。逆に変化球に気を取られていると、直球がきた」と不発の要因を説明。さらに、狙い球を絞れないため打撃も消極的になったといい、大林は「初球から積極的にバットを振ってプレッシャーをかけるべきなのに、コースを見て待ってしまった」と反省した。
 大垣日大打線の意外な弱点を露呈した点は気掛かりだが、大林は「相手にはまってしまっただけ。調子自体は悪くない」と釈明。阪口監督は「どういう風であれ、こういうゲームを勝てたのは地力があるということ。練習で養った地力が出た」と説明した。
 「こういう試合で勝てるなんて…。根拠はないけど僕らには運があるのかもしれません」と主将の小林和稔。「決勝までに『一度負けたんだ』と吹っ切って、もう一度、思い切り戦いたい」と意気込む。大垣日大のこの日の勝利は、地力なのか、運なのか―。「一度負けた」と初心に帰ったナインが、決勝の舞台で証明してくれるはずだ。

◆関商工惜敗 6安打放つも屈す

 関商工は、徹底的に大垣日大の選手のプレーや阪口慶三監督の指示を分析し、相手の得意とするパターンを崩すことで勝機を見いだそうとした。
 関商工は3回2死から一塁手の失策で初めて出塁を許した。相手にとっては、次回の打順が1番からのため、アウトになっても盗塁したい場面。ここで、先発多田将季は4球続けてけん制をした。「プレッシャーをかけ続け、ほころんだところを攻めるつもりだった」と多田。4回には、相手に1死満塁とされたが、スクイズを狙う打者に対してコースを外し、フライに打ち取った。1点は失ったものの、大垣日大の大量得点パターンを崩した。
 準決勝前日、大垣日大対策として行ったのは、6時間にも及ぶミーティングだった。今大会のビデオを見て、相手の特徴を確認。「打者はどんな球種をどの方向に打つ確率が高いのか、投手はどう攻めてくるのか、頭にたたき込んだ」と、主将の塚原健士郎は話す。
 試合では、その成果を存分に発揮した。打者によって守備位置を変え、外野へ抜けるような当たりも内野ゴロにした。攻撃でも「右打者に対してはあまり内角を攻めてこない」と、バッターボックスの中央寄りに立ってアウトコースを狙い打ちした。安打数は関商工が6、大垣日大が3。一時は、大垣日大からリードを奪った。
 試合後、北川英治監督は「選手は本当によくやった。最高のゲームだった」と絶賛。塚原は「監督の作戦通りにできた。楽しかった」と話した。敗れはしたが、関商工野球部の限りない可能性を強く印象づけたゲームだった。