
甲子園切符を懸けた高校野球の第90回全国選手権記念岐阜大会(7月5―25日、雨天順延・長良川球場ほか)では、17年ぶりに春季大会を制した市岐阜商、秋季大会を制した強豪の中京のほか、東海地区大会の経験でレベルアップした土岐商と県岐阜商が上位候補。さらに注目の右腕を擁する岐阜城北、昨春の全国選抜大会で準優勝した大垣日大も順調な仕上がりをみせており、例年にも増して実力伯仲の戦いが期待できそう。記念大会を彩る実力校6校の戦力や意気込みなどを紹介する。
![]() チームの軸を担う主戦原一智(右)と捕手加藤遼。バッテリーの出来が勝負を左右する=市岐阜商 |
周囲から優勝の本命と目される今季のチームを市岐阜商の秋田和哉監督は「突出した力はないが走攻守のバランスが良くなった。勝利にこだわり、粘りつくような野球ができる」と形容。5年ぶりの頂点奪取に向けた自信をのぞかせた。
脚光を浴びたのは、昨年の秋季東海大会。1回戦で愛工大名電と延長14回の死闘を演じ6―5で競り勝った。続く準々決勝では東海大会、明治神宮大会で優勝した常葉学園菊川を相手に善戦。だが、センバツの切符は手の間をすり抜けていった。「悔しかった。気持ちを切り替えるのに1週間くらいかかった」と主将の吉村政俊は明かす。
学校の移管問題が追い打ちを掛けた。存廃すら危ぶまれる中、センバツの悔しさと学びやへの思いを糧に、今春の県大会では見事に17年ぶりの優勝をつかみ取った。「相手がどこであろうと、どん欲に次の1点を狙って必死に戦えるチームこそ強い。選手はいくつもの試練を背負い、強さがはぐくまれつつある」と指揮官は認める。
熟成を遂げつつあるチームは、守りでつくった良いリズムを攻撃へつなげるのが信条。軸を担うのは、主戦原一智と捕手加藤遼のバッテリーだ。愛工大名電戦も一人で投げ抜いた原は持ち前の制球に磨きがかかり、下半身の強化で球威が増した。「開幕に合わせて、体のバランスを意識しながらあらためて走り込みから取り組んでいる。だんだんと良くはなっているが、自分に厳しくもっと理想を追求したい」と原。受ける加藤もインサイドワークに自信を深めつつあり、盛り立てる野手陣も安定感を増した。
打線の鍵を握るクリーンアップはパンチ力のある臼井洋介、どんな投手にも対応できる杉島隆文が担う。「小技をからめ得点するのがうちの野球。それができれば勝てる」と吉村は力を込める。
今大会の組み合わせも新たな試練を与えた。混戦必至のBゾーン。秋田監督は「春に優勝しただけに受け身になってしまいそうだったが、厳しい場所に入ったことで“挑戦者”として大会に臨める」と語る。
いくつもの試練を背負うナインは本当の強さを見せるため戦いに臨む。
(2008年6月29日 岐阜新聞掲載)