オグリの里

笠松にも待望の大型ビジョン

写真:パドック西側に建設中の大型ビジョン

パドック西側に建設中の大型ビジョン

 笠松競馬場内では昨年末、ファン待望の大型ビジョンの新設に着工した。設置場所は、内馬場にあるパドックの西側で、ゴール前約100メートル地点。3月までには完成し、装い新たな着順表示やレース映像が見られるようになる。

 これまで使われていた着順表示板は、劣化による故障のため、交換部品がないまま半年以上も稼働していない。来場する笠松ファンやレース情報を伝える関係者らは、不便な思いを強いられてきた。一昨年12月、既に老朽化による表示の不具合が発生していたことから、大型ビジョン新設の意向が競馬組合から示されていた。予算の問題もあるだろうが、着順表示板とは、レース確定に極めて重要なものであり、ファンサービスを低下させないためにも、早急に取り組むべきであった。

写真:故障のため休止中の着順掲示板

故障のため休止中の着順掲示板

 競馬場に到着した熱心なファンは、馬券検討のポイントである最新の馬場状態の「良」「不良」や「重」「やや重」かをまず着順表示板でチェックする。レース発走後は、上位1〜3番手を走る競走馬の馬番が点滅され、実況とともにレース展開がスタンドからもよく分かる。レースのラップや走破タイムの表示も大切だ。昨秋のビッグレース「笠松グランプリ」の1400メートル戦では、ラブバレットが1分23秒6のレコードタイムを出したが、着順表示板にタイムが表示されていれば、より盛り上がったことだろう。

 笠松競馬場では現在、「着順は場内のモニターでご確認ください」とのこと。全馬ゴール後のモニターには、代用の着順表示画面が映し出されるが、すぐに次のレースの馬体重表示に切り替わってしまう。レース確定後には、着順と払戻金が表示されるが、やはりモニターでは不透明な部分もある。レースでは、進路妨害による降着や競走馬の落馬などで「審議」となることがあるし、ゴールの瞬間が際どくて「写真判定」になる場合もあるからだ。

 写真判定では、当たり馬券?を持つ人は、着順表示板があれば、「まだかまだか」と何度も見ることだろう。判定結果を待つ間のドキドキ感は、競馬ファンにとって、たまらない時間だ。中央などでも「ただ今、写真を拡大中です」というアナウンスが流れるような大接戦のケースには、5分近く待たされることもあり、「どっちだ」「もう同着でもいいや」といった声が飛び交う。勝ち負けが決まった瞬間には歓声が上がり、ため息が渦巻く。

 地方競馬の馬券販売は「競馬場で1割、場外で2割、ネットで7割」とまで言われるようになった。年々減少傾向にはあるが、笠松競馬場まで足を運んでくれる入場者は、真の笠松ファンである。着順表示板が故障中なら、たとえモニターであっても、せめてレースが確定するまでは、代用の着順表示を映し続けるべきだろう。

写真:馬券復活に尽力した安田伊左衛門さん(海津市歴史民俗資料館提供)

馬券復活に尽力した安田伊左衛門さん(海津市歴史民俗資料館提供)

 昨年末、カジノ法が成立、施行されて、ギャンブル依存症対策が焦点となったが、日本の競馬では、1908年から15年間、政府が賭博性などの問題から馬券禁止令を発令していたことがある。これに対して立ち上がったのが、中央のGTレース「安田記念」にその名を残す安田伊左衛門さん(現在の海津市出身)である。「馬券を復活して、競馬が隆盛を極めるまで諦めない」と決意。愛する馬たちのために自ら代議士となって、禁止されていた馬券販売を再開させたのである。

 「日本競馬の父」と呼ばれた安田さんは、日本ダービーを創設し、JRA初代理事長を務め、約半世紀にわたり、日本競馬近代化の先頭に立って走り続けた。その間、「競馬というものは、競走の施行面でも、馬券販売でも『公正の保持』が最も大切」という信念を貫いた。

 競馬は公営ギャンブルである。「公正の保持」とは、競馬運営の根幹に関わる問題である。競走の施行面では、レースに不正がなく、ゴール後の着順を決定することが最重要である。来場したファンにとっては、着順表示板によるレース「確定」のランプが点灯することを意味するものであろう。

写真新設される大型ビジョン(右)と、これまで使われてきた着順掲示板

新設される大型ビジョン(右)と、これまで使われてきた着順掲示板

 笠松競馬場にとって、長年の懸案事業だった大型ビジョンの新設。発光ダイオード(LED)を使用した画面で、縦8メートル、横17メートルとなる予定だ。笠松競馬場では全国の地方競馬場で唯一、レース映像などを放映できる大型ビジョンがなかった。そういえば10年以上前になるが、笠松競馬場内でのアンケートで「大型ビジョンを設置してほしい」と要望したことがあったが、ようやくといった感じではある。これも競馬場関係者の努力による馬券販売黒字化のおかげであり、この状態が長く続くといい。

 完成すれば、特別観覧席の利用者や正面スタンドの観客を中心に、大いにサービス向上となるだろう。土曜、日曜にJRAの馬券を購入するファンの期待も大きく、来場者の増加につながることだろう。楽しみな大型ビジョンを1開催でも早く設置し、迫力あるレース映像を大画面で見せてほしい。

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筆者プロフィール

【ハヤヒデ】
80年代から笠松競馬を愛し、オグリキャップの走りに感動した競馬ファンの一人。岐阜新聞社に勤務。