オグリの里

華麗なるオグリ一族

オグリローマン、NAR特別表彰馬に
写真:オグリキャップの妹で、桜花賞を制覇するなど地方競馬界を盛り上げた笠松出身のオグリローマン

オグリキャップの妹で、桜花賞を制覇するなど地方競馬界を盛り上げた笠松出身のオグリローマン(笠松競馬提供)

 ゴールをひたすら目指す競走馬にとっては、地方も中央もない。ダートも芝も関係ない。速い馬は速い、強い馬は強いんだ。笠松育ちで昭和から平成へと駆け抜けた2頭の芦毛旋風は、強烈な蹄跡を刻んだ。

 オグリキャップの妹・オグリローマンが2月、「NAR(地方競馬全国協会)グランプリ2015」の特別表彰馬に輝いた。中央移籍後、1994年の桜花賞を制覇するなどして、地方競馬全体を盛り上げたのが受賞理由。父ブレイヴェストローマン、母は笠松出身のホワイトナルビー。

 オグリキャップの父はダンシングキャップで、産駒は主にダートのマイラーだった。血統的には「突然変異」ともみられていたオグリキャップだったが、妹のローマンも中央のGTを制覇。笠松に毎年のように活躍馬を送り続けてきた母・ホワイトナルビーのたくましい良血が開花したといえる。兄妹がGT馬に輝くという快挙で、「華麗なるオグリ一族」が証明された。主戦はともに名手と呼ばれた安藤勝己さん。兄妹を育て上げ、中央に送り込んだ鷲見昌勇元調教師の手腕が素晴らしかった。

 ローマンはちょうど1年前の3月3日、心不全のためこの世を去った。24歳だった。通算成績は15戦7勝(うち笠松時代に7戦6勝)。繁殖馬引退後は、キャップも育った北海道新ひだか町の稲葉牧場で余生を送っていた。

 あらためて振り返ってみる。80〜90年代、地方・笠松出身の母ホワイトナルビーから、中央のGT馬2頭が誕生した。この結果だけでも「すごい」の一語。こんな地方育ちの繁殖牝馬はどこにもいない。21世紀になって地方・中央のダート交流競走は盛んになったが、重賞レースでは中央馬の上位独占が目立つ。芝レースでもキャップやローマンのような地方出身(または在籍)のGT馬は誕生していない。寂しい限りだ。

 かつて、中央の重賞レースをバンバン勝つ馬を育てて、「不思議の国」と呼ばれた笠松競馬ワンダーランド。ラブミーチャンの柳江仁さん、マツノセイザンやフジノコンドルの後藤保さんら、卓越した手腕で地方競馬を活気づけたベテラン調教師が昨年亡くなったが、笠松には、生きのいい若手調教師が増えてきた。強い馬を育てて、また中央に殴り込みをかけてほしいものだ。

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