オグリの里

「キャップとアンカツ」最強コンビ(ダービー特集B)

写真:有馬記念優勝後の1991年1月、笠松に里帰りしたオグリキャップの引退式。約3万人のファンのオグリコールの中、安藤勝己元騎手を背にコースを周回した

有馬記念優勝後の1991年1月、笠松に里帰りしたオグリキャップの引退式。約3万人のファンのオグリコールの中、安藤勝己元騎手を背にコースを周回した

 「名馬、名手の里・笠松競馬」のキャッチフレーズにもなった、笠松育ちの名馬オグリキャップと名手アンカツさん(安藤勝己元騎手)。地方と中央の厚い壁に挑み続けて頂点を極めたこの人馬は、笠松競馬が生んだ最強コンビであったが、中央では同じ舞台に立つことはなかった。

 笠松時代にはキャップの背で7連勝したアンカツさん。もし1988年の日本ダービーにキャップと参戦できていたら、どんなパフォーマンスを見せてくれたのか。オークスをブエナビスタで勝った時のように、最後方から大外一気の鋭い末脚で、難なく差し切るシーンが目に浮かぶ。当時、アンカツさんは28歳で、ジョッキーとして脂が乗ってきた時期。成長著しいキャップの競走能力と根性を知り尽くした男だけに、2004年にキングカメハメハでダービージョッキーの称号を獲得した時のように、圧巻のゴールシーンを見せてくれたことだろう。思い描いただけで、ワクワクしてくるが…。

 今年は戦国ダービーの様相だが、皐月賞を制覇したディーマジェスティだけがクラシック3冠馬になる可能性がある。騎乗するベテラン蛯名正義騎手は、24度目のダービー挑戦で悲願の初制覇を目指している。これまで、12年にフェノーメノでハナ差の2着、14年にもイスラボニータで2着。あと一歩のところでダービージョッキーの座を逃してきただけに、心情的にもそろそろ勝ってほしいが…。

 ダービーは「最も運がある馬が勝つ」といわれているが、皐月賞を4月17日に勝ったディーマジェスティにとって心強いデータもあるようだ。1980年以降、皐月賞を4月17日に勝った馬は、83年のミスターシービー、94年のナリタブライアン、2005年のディープインパクトの3頭が11年周期でダービー、菊花賞も制して3冠馬に輝いている。今年はディープインパクトから11年目であり、ディーマジェスティが勝つ可能性も十分にありそうだ。なお、1988年の皐月賞馬ヤエノムテキも4月17日に勝っていたが、1冠どまり。この年、オグリキャップがクラシックに参戦できていたら、やはり3冠を制覇していたのでは…。

 ディープインパクト産駒が6頭も出走する今年のダービー。皐月賞の注目馬として挙げ、馬券的にも3連単的中でお世話になったディーマジェスティを本命に、皐月賞2着馬で切れ味鋭いマカヒキが2番手。ルメール騎手のサトノダイヤモンド、青葉賞1着のヴァンキッシュランも有力。あとはキングカメハメハ産駒のリオンディーズとエアスピネルの巻き返し、ダノンシャンティ産駒で京都新聞杯1着のスマートオーディンの末脚にも注目。

 応援したいもう1頭は、アパパネで牝馬クラシック3冠を達成している国枝栄調教師(本巣郡北方町出身)が管理するプロディガルサン。こちらもディープ産駒で、騎乗する田辺裕信騎手はフェブラリーSで最低人気コパノリッキーを優勝に導いた大穴ジョッキー。国枝調教師の悲願である「ダービー調教師」への夢のゲートが開き、大外枠から一発を狙う。 

 オグリキャップが「幻のダービー馬」と呼ばれてから28年が経過したが、近年の3冠馬であるディープインパクト、オルフェーヴルに続いてJRA「未来に語り継ぎたい名馬」の第3位に支持されており、永遠のヒーローである。現役時代をリアルタイムで知る40代以上のファンの支持を多く集めたようだが、見る者の胸を締め付けるような走りで感動を呼んだキャップのレースぶりを、若い競馬ファンにもぜひ知ってほしい。

(ダービー特集は今回で終了です)

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筆者プロフィール

【ハヤヒデ】
80年代から笠松競馬を愛し、オグリキャップの走りに感動した競馬ファンの一人。岐阜新聞社に勤務。