オグリの里

レース賞金改善、笠松の底力

写真:2015年に優秀な成績を収め、表彰を受ける笠松競馬の騎手や調教師ら。本年度は、減額されていたレース賞金・手当の改善も図られ、場内には明るい兆しも

2015年に優秀な成績を収め、表彰を受ける笠松競馬の騎手や調教師ら。本年度は、減額されていたレース賞金・手当の改善も図られ、場内には明るい兆しも

 ダートグレード競走が「休止」となっている笠松競馬。オグリキャップ記念が格下げに甘んじていることには悔しさ、寂しさを感じるが、競馬場として生き残ることが先決だった。賞金が高いレースから縮小せざるを得なかった主催者サイドと、賞金・手当の減額に耐え続けて存続につなげてきた騎手や厩舎関係者たち。10年余りの苦難を乗り越えて、復活への道を歩み始めた「笠松の底力」には大きな拍手を送りたい。

 笠松競馬のレース賞金は2005年以来、大幅カットが続いていたが、本年度は改善が図られており、騎手や厩舎関係者にとっては、将来に希望が持てる喜ばしいことだ。3月までは、上位3着までしか賞金が出ていなかったが、4月からは以前のように5着までが賞金対象となった。1〜3着のアップ分も含め、各レース20%前後の上乗せとなっている。

かつての賞金水準にはまだ程遠く、1990年代と比較すると3分の1程度という現状だが、少しずつでも上乗せが続けば、賞金の対象となる「掲示板(5着以内)」を目指して、騎手のモチベーションも上がってくるはずだ。落馬事故の恐怖と闘いながら体を張って命懸けのレースに挑む騎手をはじめ、調教師や厩務員たちも前向きになれるはず。強い競走馬を育てて「笠松ブランド」の向上のためにも、待遇改善が継続して実施されることが必要だ。馬券販売の回復とともに笠松競馬の経営改善は着実に進む勢いにあり、来年度以降も黒字幅に応じたスライド制などで、レース賞金や手当の改善をお願いしたい。

写真:年末恒例の「岐阜新聞・岐阜放送杯」で疾走する競走馬。ゴール前はファンで埋まり、大にぎわい

年末恒例の「岐阜新聞・岐阜放送杯」で疾走する競走馬。ゴール前はファンで埋まり、大にぎわい

 オグリキャップ記念(地方全国交流・SPI)など格下げになったレースのダートグレードへの復活も、レース賞金の上積みが鍵を握る。現在、各地で開催されているダートグレード(JpnV)の優勝賞金は2100万円が最低ラインで、賞金総額の負担額はJRAと地方側が原則折半。笠松の優勝賞金では、笠松グランプリが1000万円で最も高く、オグリキャップ記念が500万円で続き、ラブミーチャン記念は200万円。笠松で想定される格上げ時の優勝賞金を2100万円とすると、5着までの賞金総額は3000万円前後になる。

 今年のオグリキャップ記念の馬券販売額は約6400万円だったが、JRA馬も参戦するダートグレード(JpnV)として復活すれば、注目度もかなりアップする。「オグリキャップの冠レースなら馬券を買ってみよう」という中央のファンも多いはず。インターネット販売が威力を発揮し、2004年の約1億6000万円を上回る馬券販売は十分可能。賞金分を差し引いても損はないだろう。

 ダートグレードは、地方・中央の交流重賞というレースの格式の高さもあり、格上げには時間がかかるかもしれない。だが、これも時代の流れ。全国の地方競馬は軒並み、前年度比10%以上の馬券販売額アップを記録しており、先行きに明るさを取り戻している。笠松側が賞金面などを見直し、熱意を持って復活をアピールすれば、格上げはきっとかなうだろう。一度格下げになったレースがダートグレードに復活すれば、経営改善が進む地方競馬界の現状を象徴する景気の良いニュースにもなる。格付け管理委員会だって、地方・中央交流の先駆けとなって疾走したオグリキャップに敬意を払って、ダートグレード復活を後押ししてくれると思うのだが…。

このコラムに対するコメントをお寄せください

ネーム:(必須)
メールアドレス:(必須・半角英数)
コメント:

※投稿は承認後、順次掲載します。そのためすぐには反映されません。

※メールアドレスが公開されることはありません。

「オグリの里」一覧

〜バックナンバー〜

※項目をクリックでリスト展開。

筆者プロフィール

【ハヤヒデ】
80年代から笠松競馬を愛し、オグリキャップの走りに感動した競馬ファンの一人。岐阜新聞社に勤務。