オグリの里

宝塚記念、牝馬と柴山騎手に注目

写真:1990年の宝塚記念でパドックを周回するオグリキャップ。1番人気だったが、2着に敗れた=阪神競馬場

1990年の宝塚記念でパドックを周回するオグリキャップ。1番人気だったが、2着に敗れた=阪神競馬場

 宝塚記念の思い出というと、やっぱりオグリキャップが2着に敗れた1990年のレース。阪神競馬場に駆け付けて、ライブで観戦したのでよく覚えている。前走の安田記念を武豊騎手の騎乗で楽勝していたので、勝利を信じていたのだが。

 圧倒的な1番人気のキャップにとって、阪神はデビュー戦から連勝した相性の良いコースのはずだった。騎乗したのは若手の岡潤一郎騎手(93年に落馬事故で死亡)。馬券はまだ単複と枠連しかなかった時代で、キャップとイナリワンが、今となっては懐かしい「単枠指定」となった。3番手で手応え良さそうに4コーナーを回ったキャップだったが、ゴール前で伸びを欠くまさかの結末。先行したオサイチジョージに3馬身半届かず、ヤエノムテキにも詰め寄られ、2着を確保するのがやっとだった。脚部不安もあってか、闘争本能むき出しで追い込むいつもの姿は見られなかった。

 90年といえば、アイネスフウジンが勝った日本ダービー(東京競馬場)に史上最多の19万6517人が殺到した競馬ブームの絶頂期。宝塚記念では「キャップのレースを生で見るんだから、ここは大勝負」と、単勝とイナリワンへの連複を厚めに買っていたが、残念な結果に終わった。阪神競馬場が全面改装されるということで、最終レース終了後には、馬場がファンに開放された。放心状態の中、「ああ、ここが勝負に挑んだ人馬と、祈る気持ちで観戦したファンの運命を分けたゴール板かあ」などと感傷に浸りながら、スタンド前のターフをとぼとぼと歩いたことを記憶している。

 今年の宝塚記念(26日・阪神)は、春の天皇賞馬でファン投票1位のキタサンブラック、皐月賞・ダービー馬のドゥラメンテ、昨年の覇者ラブリーデイが上位人気だが、3年連続で牝馬が3着に食い込んでいる波乱含みのレース。「夏は牝馬から」というから、昨年のエリザベス女王杯を勝ち、有馬記念でも4着と健闘したマリアライトに注目。昨年の宝塚記念では人気薄の牝馬デニムアンドルビーとショウナンパンドラが2着、3着に絡んで3連単52万円と荒れており、今年のマリアライトもチャンス十分。もう1頭の牝馬タッチングスピーチが突っ込んできたら、大万馬券になりそうだ。

写真:笠松デビュー当時の柴山雄一騎手。通算393勝を挙げ、JRAに移籍した

笠松デビュー当時の柴山雄一騎手。通算393勝を挙げ、JRAに移籍した

 大穴候補のもう一頭は、かつて笠松所属だった柴山雄一騎手が騎乗するフェイムゲーム。柴山騎手は98年に笠松でデビューした後、2005年に独力でJRAへ移籍した。GTレースではこれまで勝利がなく、アルビアーノ、クロフネサンライズで2着がある。ロックドゥカンプで1番人気だった08年の菊花賞は大きなチャンスだったが、アサクサキングスに敗れて3着だった。大阪府出身の38歳で、美浦所属。移籍後も笠松に来場したことがあり、トークショーなどでファンを楽しませていた。

 笠松時代の柴山騎手は、04年にリーディング4位になるなど通算393勝を挙げた。アンカツさんを追うようにして移籍したJRAでも1年目から80勝を挙げて「年間ホープ賞」を受賞するなど活躍。宝塚記念は初めてだが、出走するからには悲願のGT制覇のチャンスはあるはず。ハーツクライ産駒のフェイムゲームは、昨年の春の天皇賞でゴールドシップに迫る2着に入った実績馬で、最内枠からの抜け出しを狙う。

 先行して安定感を発揮するキタサンブラックと、破壊力抜群のドゥラメンテの2頭は3着は外さないとみて、3連単2頭軸マルチの総流しで穴馬の食い込みを期待したい。ファンの熱い思いが詰まったドリームレース。皆さんの願いが届くといいですね。

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筆者プロフィール

【ハヤヒデ】
80年代から笠松競馬を愛し、オグリキャップの走りに感動した競馬ファンの一人。岐阜新聞社に勤務。