オグリの里

キャップやローマンの生まれ故郷、稲葉牧場

写真:稲葉牧場を受け継ぎ、「もう一度GT馬を出したい」いう千恵さん

稲葉牧場を受け継ぎ、「もう一度GT馬を出したい」という千恵さん

 「オグリの血統から、もう一度GT馬を出したい。グレードレースを取れる馬をつくりたい。主人の遺志でもあったので」と夢を語るのは、稲葉牧場(北海道新ひだか町)の稲葉千恵さん。笠松から中央入りしてGT馬になったオグリキャップとオグリローマンの生まれ故郷として、ファンの人気も高い牧場。昨年9月、生産者だった裕治さんが60歳で亡くなったため、妻の千恵さんが牧場を受け継ぎ、長女らとともにオグリ一族の血を守り、再び活躍馬を送り出そうと新たな挑戦を始めている。

 千恵さんは兵庫県出身で、稲葉牧場に嫁いできた。馬が好きで、中央で激走していたキャップのファンだったことから、1989年9月、キャップの母ホワイトナルビーを見学するため稲葉牧場を訪れたという。牧場を手伝っていくのに「力があるように見られたのかも」と謙遜する千恵さんだが、裕治さんの求婚を受けて、その年の12月には結婚。一緒にキャップのレースを観戦したり、オグリローマンを笠松へ送り出したりもした。裕治さんが亡くなってからは生産者となって、長女の愛夏さんと二人で、放牧地が約10ヘクタールある広々とした牧場と、愛馬たちを守り続けている。

写真:オグリローマンの孫で、笠松でも活躍したクィーンロマンスの親子。千恵さん(右)と長女の愛夏さんが、愛情を注いでいる

オグリローマンの孫で、笠松でも活躍したクィーンロマンスの親子。千恵さん(右)と長女の愛夏さんが、愛情を注いでいる

 稲葉牧場にいる繁殖牝馬は現在9頭で、そのうちオグリローマンの子が1頭、孫は2頭。笠松の元オープン馬で、地方と中央で計14勝を挙げたクィーンロマンス(15歳、母オグリロマンス)には当歳馬(父アルデバラン)と1歳馬(父タイキシャトル)の2頭がいる。シュンプウサイライ(8歳、母オグリローマン)には当歳馬(父ゼンノロブロイ)1頭、サンマルミッシェル(10歳、母オグリロマンス)にも当歳馬(父アグネスデジタル)1頭がいる。父は中央のGT馬が多く、子どもたちの将来の活躍が期待される。夏場は夜間放牧も行われており、おいしそうに牧草を食べながら、親子で元気に駆け回っている。

 キャップとローマンというGT馬2頭を産んだ「偉大なる母」ホワイトナルビーの血を脈々と受け継いでいる稲葉牧場。中央での活躍馬を数多く育ててきたが、「オリンピックに行ける子ばかりではない。自分の花が開ける場所として、地方競馬もある」と千恵さん。「馬はかわいいが、おっかない面もある。お互い、けがをしないように気を張ってやっている」とも。

 中央の重賞戦線で活躍できる馬を育てることについては「これも巡り合わせなんで、そういう馬と出会えるように、条件を整えていきたい」と前を向き、計10頭いる子馬たちがそれぞれの活躍の場で大きく羽ばたくことを願って、育成に愛情を注いでいる。

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