オグリの里

笠松でも走れ、ミーチャンの子

写真:名古屋「かきつばた記念」では、浜口楠彦騎手の手綱で3着に食い込んだラブミーチャン

名古屋「かきつばた記念」では、浜口楠彦騎手の手綱で3着に食い込んだラブミーチャン

 現役時代のラブミーチャンは、地方・中央交流のダートグレードを中心に全国を駆け抜けたアイドルホースだった。ファンへのサービス精神も旺盛で、レース当日には、ほほ笑ましい姿も随所に見せてくれた。2012年5月に観戦した名古屋「かきつばた記念」のパドックでは、「ミーチャン、頼んだぞ」といった声援に応えて、ファンの方向を「ちら見」する姿が印象的だった。愛きょうがあり、女王のオーラを放っていた。

 関東でのレースのゲートインでは、隣の枠に牡馬の「王子様」が入ると、妙にきょろきょろして出遅れたこともあった。ミーチャンのオフィシャルブログ上の設定で「初恋相手」とされたスーニ様とは、レースでも盛り上がった。東京盃では、2頭で抜け出してゴールを目指したワンツーフィニッシュもあった。1着スーニ、2着ラブミーチャン、3着はアンカツさん騎乗のマルカベンチャーと、笠松ファンにはたまらないレースとなった。スーニは引退後、種牡馬入りせずに乗馬となったため、種付けは実現せず、ミーチャンの恋は成就しなかったが…。

写真:将来のGT馬を目指して、お母さんの背中を追う次男

将来のGT馬を目指して、お母さんの背中を追う次男

 レースでのドキドキ感はもちろん、いつもファンを楽しませてくれたミーチャン。ダートのスーパースプリントでも3連覇を飾るなど、短距離の最速女王として大活躍したが、その子どもたちはどんな競走馬に育っていくのだろうか。

 長男のラブミーボーイと今春生まれた次男は、ダートのスプリンターとして中央入りを目指しているが、新馬戦からスタートし、オープン入りを果たす競走馬は一握りである。未勝利戦で2桁着順が続けば、馬主も中央での出走に見切りをつけることだろう。「中央で走らなきゃ、地方へ」といった流れがあり、地方競馬が中央馬の受け皿にもなっている。厳しい競争社会である競馬界を生き抜くサラブレッドたちの宿命でもある。

写真:名馬ラブミーチャンを育てた柳江仁元調教師

名馬ラブミーチャンを育てた柳江仁元調教師

 ミーチャン引退後、苦楽を共にした柳江仁元調教師と浜口楠彦元騎手は亡くなられたが、お二人には笠松競馬をけん引して、もっと活躍していただきたかった。ミーチャンは当初、コパノハニーの登録名で中央デビューを目指したが、腰が甘かったため、「方角が良かった」とされる笠松に移籍して再スタート。中央馬と好勝負できるまでに育て上げ、手腕を発揮したのが柳江元調教師。その子どもたちの育成も楽しみにして、「ミーチャンの連続ドラマがまた始まる」と夢を広げておられたが…。追って味のある腕っぷしの強さと「ハマちゃんスマイル」でファンが多かった浜口元騎手のキャラクターは、笠松競馬を大いに盛り上げてくれた。「笠松の看板娘」のラストランの手綱を取ることはできなかったが、「ミーチャンでGTも取ったから」と喜んでいた笑顔が忘れられない。

写真:笠松でのオッズパークグランプリを制覇したラブミーチャンと福永祐一騎手(左)ら関係者

笠松でのオッズパークグランプリを制覇したラブミーチャンと福永祐一騎手(左)ら関係者

 地方・中央の交流レースは盛んであり、ミーチャンの子どもたちも、いつか笠松で走る日が来るだろう。受胎したコパノリチャードの子の誕生も楽しみだし、もし牝馬だったたら、母親のように笠松でデビューしてほしい。現在、ミーチャンの馬主であるDr.コパさんの持ち馬は、笠松の後藤正義厩舎にコパハマッテルゼ(父はGT馬オレハマッテルゼ)など2頭がいる。地元ファンは、ミーチャンの子が笠松所属馬になる日をもちろん「マッテルゼ」ですよね…。笠松でのオッズパークグランプリでは、ミーチャンに福永祐一騎手が騎乗して制覇したこともあった。コパさんよろしく、笠松競馬をまた盛り上げてください。

 中央の桜花賞挑戦など、ミーチャンが果たせなかった史上初の「地方在籍馬による、芝GTレース制覇」への道を切り開いてほしいです。笠松から中央への新たなストーリーをファンは楽しみにしています。

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ミーちゃん大好き / 2016.8.21
岐阜新聞様いつもコラムありがとうございます。ミーチャンがスーニ様のことを好きだったのは当時のブログで知ることができました。人間も馬も好きなひとがいるっていいですね。

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