オグリの里

調教師転身で騎手不足

写真:調教師への転身などで13人に減った笠松競馬の騎手たち

調教師への転身などで13人に減った笠松競馬の騎手たち

 「名馬・名手の里」として、かつてのアンカツさんに代表されるように、ジョッキーの腕もレベルが高い笠松競馬だが、この夏、調教師への転身などで、所属騎手が一気に3人も減ってしまった。全国の地方競馬では最も少ない13人となり、地元騎手が不足している。

 フルゲートでも10頭で、9〜10頭立てが多い笠松競馬。腕自慢の騎手たちによる少数精鋭とはいえ、毎レース同じような顔触れで、減少がこれ以上続けば、白熱した手綱さばきを期待するファンへのサービス低下にもつながるだろう。名古屋競馬の騎手の参戦が増えているが、今後は「菜七子フィーバー」で注目を浴びる女性騎手を含めて、笠松での新人騎手のデビューや移籍騎手(期間限定でも)の受け入れなどを望みたい。

写真:熱戦を繰り広げる笠松競馬のレースち

熱戦を繰り広げる笠松競馬のレース

 レース賞金が高かった1999年には安藤光彰・勝己、川原正一、浜口楠彦ら34人の騎手が笠松に所属していたが、今では4割ほどになってしまった。全国的には、笠松と同じように経営が厳しかった高知でも、現在21人が在籍。近隣の名古屋と金沢もともに21人と、多くの競馬場で20人以上の騎手が所属している。他地区からの移籍では、競馬場廃止に伴って、2002年に新潟・三条から向山牧騎手、13年には福山から池田敏樹騎手が新天地・笠松へと移り、騎手リーディング上位で活躍している。

 笠松の調教師は現在21人。名馬マルヨフェニックスなどへの好騎乗でエース級の活躍を見せた尾島徹騎手が昨年、31歳の若さで調教師に転身した。益田から高知を経て笠松に移籍してきたベテラン花本正三騎手と、穴馬で万馬券をよく提供してくれた湯前良人騎手は今年7月、ともに調教師試験に合格し、騎手人生に終止符を打った。2年前にデビューした藤田玄己騎手は、残念ながら6月に引退した。4人ともまだまだ騎手としての活躍が期待されていただけに、寂しく感じたファンが多かった。

 競馬開催を支える騎手たちの減少傾向は、これまでの経営難による賞金や手当の大幅カットも影響していた。体重増による飲食の制限など、減量との厳しい闘いもあっただろう。尾島調教師は今年、笠松9月開催で50勝に到達しており、調教師リーディング上位の成績で、競走馬育成の手腕を発揮しつつある。花本、湯前両調教師は笠松デビューを果たしたばかりだが、「地元だけでなく、全国で通用するような強い馬を育てたい」というのが共通した大きな目標のようで頼もしい。

写真:笠松でも再デビューを果たした宮下瞳騎手

笠松でも再デビューを果たした宮下瞳騎手

 女性騎手といえば、名古屋競馬では、全国の女性騎手最多勝利記録を持つ宮下瞳騎手が、再デビューで勝利を積み重ねている。7日には笠松でも五つのレースで意欲的に騎乗し、「瞳、頑張れ」と熱い声援が飛ぶ中、ファンに存在感をアピールした。木之前葵騎手も笠松での騎乗が多く、1日3勝するなど、競馬場との相性も良いようだ。地元ファンは、騎乗技術に優れた2人の参戦を楽しみにしており、どんどん来てほしい。

 笠松と名古屋は、東海公営としての広域的なつながりも深い。当面は、笠松の競走馬や騎手不足を補うとともに、フルゲートでのレースを盛り上げるためにも、人馬の相互交流をもっと深めるべきだ。経営改善が進み、賞金や手当もアップしつつあり、地方競馬の騎手を目指している若者には、ぜひ笠松でゲートインしてほしい。ベテラン東川公則騎手の息子さんが、将来の笠松デビューを目指しており、楽しみにしたい。

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筆者プロフィール

【ハヤヒデ】
80年代から笠松競馬を愛し、オグリキャップの走りに感動した競馬ファンの一人。岐阜新聞社に勤務。