オグリの里

菜七子ちゃん、笠松へもぜひ

写真:名古屋競馬場のパドックを周回する藤田菜七子騎手

名古屋競馬場のパドックを周回する藤田菜七子騎手

 いつもは馬券にしか興味がない、おじさんたちも走った。この日(9月21日)の名古屋競馬場のパドックや本馬場は「菜七子フィーバー」の熱気が充満し、かつてない華やかな雰囲気に包まれていた。

 3月にデビューしたJARの新人・藤田菜七子騎手(19)が名古屋に初参戦し、1日3勝を挙げる大活躍を見せた。勝利を重ねるごとに、詰め掛けたファンの熱視線はオーバーヒート気味。地元・名古屋で再デビューを果たしたママさん・宮下瞳騎手(39)とアイドル的存在の木之前葵騎手(23)とは、計3レースで直接対決。女性騎手3人による競演で、場内は大いに盛り上がった。

写真:女性ジョッキーの姿が目立ち、パドックは華やかな雰囲気に包まれた

女性ジョッキーの姿が目立ち、パドックは華やかな雰囲気に包まれた

 パドックの景色はいつもの平日開催日とは違って、中央のGTレースのような人垣。ジョッキーが一斉に競走馬にまたがって周回を始めると、「菜七子ちゃん、格好いいよ」「葵ちゃん、負けるな」「ママさんも頑張って」などとファンの声援が飛び交った。藤田騎手はちょっと恥ずかしそうに、集中して下向き加減に周回していたが、メインレース前には「また勝っちゃうの?」と熱烈な声援が送られ、菜七子スマイルがチラリと…。馬上の女神たちの晴れやかな姿をカメラやスマホで撮影すると、本馬場での返し馬を見ようと、若者やおじさんたちもゴール前へダッシュした。

写真:1着でゴール後、笑顔を見せる藤田菜七子騎手

1着でゴール後、笑顔を見せる藤田菜七子騎手

 藤田騎手は6、9レースで鮮やかな逃げ切りを決めるなど3勝、3着2回と好騎乗が目立った。最終レースでは第4コーナーで2番手から抜け出すと、スタンドが大きくどよめいた。応援馬券を握り締めたファンは3勝目を確信。菜七子コールが響く中、鮮やかに1着でゴールすると温かい拍手と歓声に包まれた。

 デビューして7カ月の藤田騎手は、中央のレースでは苦戦気味だ。ダービーウイークの5月末に4勝目を挙げて以来、9月末まで4カ月間も勝利から遠ざかっている。1年目から有力馬に騎乗することは少なく、女性騎手には厳しいこの世界。一つの壁にぶち当たっているようだが、地方競馬への参戦は気分転換にもなるだろうし、名古屋で見せた積極策を生かして、中央でも1勝ずつ積み重ねてほしい。9月25日の中山のレースではスタートダッシュを決めて、12番人気の馬を2着に持ってきたように、逃げ馬がよく似合う。

 名古屋のレース後には、ウイナーズサークルで女性騎手3人によるトークショーも開かれた。「小回りコースで積極的に前へ行き、うまく勝つことができた。パドックでも『頑張れよ』『おめでとう』と優しい言葉を掛けていただき、うれしかったです」と、菜七子スマイル全開で勝利の味をかみしめ、「女性ジョッキーがもっと増えるといいですね」とも。宮下騎手は「人気がある馬でなくても勝って、きょうは菜七子マジックでしたね」と、木之前騎手は「名古屋が合っているようだし、また来てほしい」と活躍をたたえていた。

写真:3勝した藤田菜七子騎手(中央)の活躍をたたえた、宮下瞳騎手(右)と木之前葵騎手

3勝した藤田菜七子騎手(中央)の活躍をたたえた、宮下瞳騎手(右)と木之前葵騎手

 藤田騎手が参戦した地方競馬場は、南関東の4場、高知、金沢、盛岡、園田、佐賀、名古屋の計10場となった。残るは笠松、門別、水沢で、「全場騎乗」も見えてきた。かつて笠松には「イツカキット」という、名古屋を含めて210回も走ったタフな馬がいたが、気長に待てば、藤田騎手も、いつかきっと笠松に来てくれることだろう。また、笠松には凱旋門賞2着のナカヤマフェスタ産駒の「ナナコ」という名の2歳牝馬がいて、9月30日のレースでは2着に入っている。藤田騎手が来場して騎乗することになれば「菜七子&ナナコ」で、馬券的にも盛り上がるだろう。参戦に向けた競馬場関係者の努力を期待したい。

 藤田騎手の帰り際には「笠松にも来てよ−」との掛け声も飛んでいた。笠松競馬場は、名古屋以上に先行馬が有利なコースなので、華麗なる逃げでの勝利のシーンがいっぱい見られるかも。ファンの皆さん、参戦を楽しみに待ちましょう。

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