オグリの里

珍事、3頭立てレース

写真:3頭立てでスタートする笠松競馬の2歳新馬戦(笠松競馬・NAR地方競馬ライブより)

3頭立てでスタートする笠松競馬の2歳新馬戦(笠松競馬・NAR地方競馬ライブより)

 「あれっ、きのうの第5レース、3連複と3連単の成績が載ってないぞ」

 笠松競馬「水無月シリーズ」初日、2歳新馬戦でのハプニング。翌朝のスポーツ新聞の成績一覧を見て初めて気付いたが、5頭立てのレースで2頭が取り消したため、笠松競馬では珍しい3頭立てレースになったのだ。

 馬券は単勝、馬連、馬単が発売されたが、全てが当たり馬券となる複勝、ワイド、3連複の発売は中止。馬単の買い目は最大6通り、3連単でも6通りで「馬単=3連単」となるため、3連単の発売も取りやめになった。

 馬券を買うファン心理はどうか。3頭だけなら「これは絶対に当たるチャンス」なのか、「どうせ安いから、見送ろう」なのか。あるいはレアケースだから「記念馬券を買っておこう」かも。

 少頭数のレースでは、意外なアクシデントも起きる。6年前、5頭立ての笠松のレースでは、コース整備のトラクター2台が誤って進入。全国の競馬ファンをあきれさせた珍レース「笠松大障害」となったが、人馬はトラクターの間を縫って走り、衝突による落馬事故などは起きなかった。今回のレースでは、3頭だけじゃ寂し過ぎるとばかりに、ファンは皮肉を込めて「トラクターも出走準備?」などと、注目したかも…。

写真:2、3着馬を大きく引き離してゴールを目指すマーメイドモアナ(笠松競馬・NAR地方競馬ライブより)

2、3着馬を大きく引き離してゴールを目指すマーメイドモアナ(笠松競馬・NAR地方競馬ライブより)

 レース映像を見ると、確かにゲートにはゼッケン1、2、5番の3頭だけが並んでの異様なスタート。800メートル戦で、コーナーをワンターンする逃げ馬が有利の展開。東川公則騎手のマーメイドモアナが鋭く伸び、49秒3のタイムで、2着馬ライトスラッガーに大差をつけてゴールした。

 1、2、3番人気の順で決まり、単勝150円、馬連110円、馬単200円と、予想するまでもない決着となった。それでも馬単に大口でぶち込んだ本命党からすれば、2倍なら悪くない配当か。新馬戦ながらも1着賞金は110万円と高額で、笠松のオープンクラス。この日のメインレースの1着31万円と比較しても3倍以上だった。

 これは、地方競馬全国協会(NAR)が「未来優駿プロジェクト」を実施し、2歳馬競走に対して付加賞金を交付。優秀な2歳馬育成へ、馬主の意欲向上を図っているからだ。フレッシュで楽しみな2歳戦。来年の東海ダービーなどを目指す将来性豊かな若駒たちは、賞金面でも優遇される。笠松では秋風ジュニアなどのJRA認定競走を勝てば、中央のレース出走の扉も開かれる。

写真:ヤングジョッキーズシリーズで、新人騎手らも熱戦を繰り広げる笠松競馬

ヤングジョッキーズシリーズで、新人騎手らも熱戦を繰り広げる笠松競馬

 800メートル戦のタイムは将来性を占う意味でも注目される。今年の新馬初戦(5月29日)は5頭立てで、井上孝彦厩舎の期待馬フローレンスが8馬身差で圧勝。ゲートの出が速く、スピードに乗ったいい走りを見せて48秒3と、コースレコードの47秒7に迫る好タイム。重賞戦線を目指して成長が楽しみな1頭だ。ちなみにオグリキャップのデビュー戦は5月19日と早く、800メートルは50秒1で2着だった(1着マーチトウショウ)。

 地方競馬での3頭立ては、全国的にはどうか。2歳馬はやはり体調管理が難しく、取り消すケースも多い。今月4日の佐賀競馬では、3頭取り消しで3頭立てになった。2015年10月7日の名古屋競馬では、取り消しや競走除外もなかったが、3頭立てで枠順が確定。1着だったセンターフォワードは今年5月20日の中央のレース(京都)では、15番人気で2着と好走。3連単150万円近い大穴に絡んでいる。

 15年5月29日の浦和競馬では、1頭が取り消し4頭立て。3連複や3連単は売られたが、さらに1頭が競走除外となり、3頭立てになった。微妙なファン心理からか、馬単700円、3連単480円と配当的にも珍現象を生んだ。05年の高知競馬では、当初から3頭立てレースが組まれ、4日間にわたって実施。馬券は単勝のみで、競馬の楽しさをアピールした。

写真:「名古屋でら馬スプリント」に挑むハイジャ(8)と佐藤友則騎手

「名古屋でら馬スプリント」に挑むハイジャ(8)と佐藤友則騎手

 18日の高知優駿(黒潮ダービー)には、東海ダービー馬のドリームズライン(名古屋)、6着のアペリラルビー(笠松)は出走を回避。繰り上げでマルヨアキト(笠松)、サザンオールスター(名古屋)が参戦する。07年の東海ダービーや大井・黒潮盃を尾島徹騎手で制覇したマルヨフェニックスと同じ柴田高志厩舎のマルヨアキト。大外枠に入ったが、笠松リーディング・佐藤友則騎手の思い切ったレース運びで上位入線が期待される。

 地方、中央を問わず、毎日のようにどこかの競馬場で騎乗している佐藤騎手。20日には、スーパースプリントシリーズの「名古屋でら馬スプリント」にハイジャで参戦予定。22日には園田で「スーパージョッキーズトライアル」第2ステージに総合4位で挑み、優勝を目指す。波に乗って「友則ウイーク」としたいところだ。

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筆者プロフィール

【ハヤヒデ】
80年代から笠松競馬を愛し、オグリキャップの走りに感動した競馬ファンの一人。岐阜新聞社に勤務。