オグリの里

笠松、名古屋、金沢勢がトップ3

写真:ファイナルラウンド進出へ前進。左から加藤聡一騎手(名古屋)、渡辺竜也騎手(笠松)、栗原大河騎手(金沢)の上位3人

ファイナルラウンド進出へ前進。左から加藤聡一騎手(名古屋)、渡辺竜也騎手(笠松)、栗原大河騎手(金沢)の上位3人

 「未来のアンカツさん目指して」。派手なアクションで泥くさく追いまくる地方ジョッキー。武豊騎手に代表されるように騎乗姿も美しくスマートなJRA勢には負けたくないようで、力強さを発揮した。

 12月27日に大井競馬場、28日に中山競馬場で実施されるヤングジョッキーズシリーズ(YJS)のファイナルラウンド。西日本地区の金沢ラウンドを終えて、地方騎手では笠松の渡辺竜也騎手、名古屋の加藤聡一騎手、金沢の栗原大河騎手がポイント争いのトップ3だ。金沢での騎手紹介セレモニーでは、レース結果を予期したかのように、渡辺騎手ら3人が横に並んでいた。

 厳しい残暑。夏場の競馬場内は異様な熱気で、より暑く感じられた。パドック、ゴール前、取材場所を駆け回り、馬券売り場前にある売店自販機で水分補給することも、周回コースの一部になった。年末の「ファイナリスト」を目指した各騎手のポイント争いは過熱し、モチベーションも上がっていた。

写真:トライアルラウンド金沢に参戦した地方、中央の若手騎手たち

トライアルラウンド金沢に参戦した地方、中央の若手騎手たち

 地方騎手は笠松、名古屋、金沢、兵庫、高知、佐賀から計10人が参戦。上位3人がファイナルへ進出できる。各レースでの着順ごとにポイント(1着30P、2着20Pなど)が与えられる。トライアルラウンドポイント(レースの総獲得ポイントを騎乗回数で割った数字)は、渡辺騎手が18.00Pでトップを走り、このまま逃げ切って1位通過なるか。加藤騎手(15.83P)が2位の座をキープして追撃。3位・栗原騎手(11.25P)、4位・高知の松木大地騎手(9.50P)と続いている。

 西日本地区は5ラウンドを終え、残るは11月15日の園田ラウンドのみ。笠松ファン期待の渡辺騎手のファイナル進出をほぼ間違いないだろうが、まだ確定したわけではない。騎乗予定の計4レース(笠松、金沢)を終えて、「園田のレースを見守りたい」と余裕を見せていたが、油断は禁物だ。残る園田のレースで、負傷などによる欠場騎手が出た場合、「代打騎乗」する可能性がまだあるという。

 そういえば、金沢ラウンドでは、負傷療養中の柴田勇真騎手(金沢)に代わって、園田の新人騎手2人が1レースずつ騎乗していた。最終戦となる園田でも騎手変更があれば、同じく新人で騎乗回数の少ない渡辺騎手が指名を受けるだろう。代打騎乗が2レースの場合、2桁着順が続けば、他の騎手の成績次第では、4位以下に落ちることもある。その可能性は極めて低いが、数字上はゼロではない。もちろん、ファイナルラウンドに向けて、自らの負傷欠場や騎乗停止がないようにもしたい。ファイナル進出騎手の正式発表は、トライアルラウンド全日程終了後の11月22日。

写真:2着2回と健闘したが、悔しそうな加藤騎手

2着2回と健闘したが、悔しそうな加藤騎手

 金沢では、2着2回の加藤騎手も好騎乗が目立った。笠松・くろゆり賞で重賞初Vを飾ったばかりで、気分良く金沢に乗り込んだ。東海勢のワンツーとなった1レース目は、最後は渡辺騎手の人気馬に差し切られた。外枠から強引に先頭を奪い、「3コーナーで早めに行ったが、もう少しうまく乗れば良かった」。2レース目は大外一気の2着にも「詰め寄ったが差し切れず、『悔しい』の一言です」と残念がったが、ファイナル進出には手応えをつかんだ。

 3位の地元・栗原騎手も、7月の金沢・MRO金賞で重賞初制覇を果たして臨んだが、10着と5着。「2レースとも下手乗りしてしまった」と悔しそう。予定の8騎乗を終え、ファイナル進出は神頼みして待つしかないか。YJSでは渡辺騎手が2勝、加藤騎手が1勝2着3回、栗原騎手も2着2回と活躍。東海、北陸地区の騎手のレベルの高さを全国にアピールできた。

写真:夢のファイナル進出を目指す渡辺騎手は、ひょうきんな一面も

夢のファイナル進出を目指す渡辺騎手は、ひょうきんな一面も

 17歳の若さで、夢の大舞台へ。「2位、3位じゃなくて、1位で通過したいです」と強気の渡辺騎手。年末に大井、中山で騎乗することになれば、「勝ちたいです。一つでも良い着順を取りたいし、勝ってガッツポーズがしたい。笠松の先輩騎手も応援してくれている。デビューした時からの目標でもあり、ファイナルで優勝したいです」と意欲。東日本地区のJRA勢では藤田菜七子騎手がトップを走っており、腕を競うことになるかもしれない。

 「千葉県船橋市出身なんで、中山競馬場は実家にも近いです。両親や祖父も応援に来てくれるでしょう。夢だった中山で乗ることをイメージして、チャンスを生かしていきたい。大井の印象は、笠松に比べて馬場が広くて乗りやすそう」。他の騎手のようにギラギラ感はないが、持ち前の明るさでレースでもそれほど緊張しないタイプか。笠松ではアンカツさんが16歳でデビューし、3年目から18年連続リーディング騎手に輝いており、偉大な大先輩の背中を追ってほしい。レースセンスが良くて将来性豊か。1、2年後の成長ぶりが楽しみだ。

写真:ファンサービスで無料バスも運行されている金沢競馬場

ファンサービスで無料バスも運行されている金沢競馬場

 金沢ラウンドが終了。若手騎手たちの熱戦に夢中で、昼食を取るのも忘れていて、気が付いたら食堂は閉まり、競馬場名物のにぎりずしも食べ損なった。競馬場前では、かつての笠松のように無料バスがファンの帰りを待っていた。帰り道、海鮮料理の店も見当たらず、結局は回転ずしで妥協したが、これが妙においしかった。また来年も笠松や金沢での、成長した若手騎手たちの活躍を楽しみにしたい。

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筆者プロフィール

【ハヤヒデ】
80年代から笠松競馬を愛し、オグリキャップの走りに感動した競馬ファンの一人。岐阜新聞社に勤務。