オグリの里

ドリームズライン、岐阜金賞Vで東海3冠

写真:24年ぶりの「東海3冠馬」が誕生。ゴールでガッツポーズの大畑雅章騎手(笠松競馬提供)

24年ぶりの「東海3冠馬」が誕生。ゴールでガッツポーズの大畑雅章騎手(笠松競馬提供)

 ゴールの瞬間、歓喜のガッツポーズを見せた大畑雅章騎手。圧倒的1番人気に応え、V一直線で夢をつかんだドリームズライン(牡3歳、川西毅厩舎)。24年ぶり、史上4頭目となる「東海3冠馬」が誕生した瞬間だった。

 13日、笠松競馬場で行われた3歳重賞「第41回岐阜金賞」(SPT、1900メートル)は、3冠達成の期待感が充満。ドリームズラインは、2コーナー辺りから得意のロングスパートでポジションを上げ、最後の直線で抜け出すと、詰め掛けたファンも勝利を確信。笠松・アペリラルビー、兵庫・マイフォルテの追撃を振り切って、鮮やかに3冠ゴールを決めた。父ドリームジャーニー、母ジョディーズライン(母父クロフネ)という血統。

 笠松・菊花シリーズの岐阜金賞は、JRAの菊花賞に相当する3歳クラシック戦で、名古屋の駿蹄賞、東海ダービーに続く最後の1冠。過去の3冠馬は笠松のイズミダッパー(1980年)、名古屋のゴールドレット(82年)、笠松のサブリナチェリー(93年)の3頭のみだった。ゴールドレットといえば懐かしく、笠松競馬場に通い始めた頃の最強馬。23戦して20勝、2着3回という怪物ぶりを発揮し、後には「東海帝王」とも呼ばれた。

写真:3冠馬ドリームズラインと川西毅調教師(左)、大畑雅章騎手

3冠馬ドリームズラインと川西毅調教師(左)、大畑雅章騎手

 ドリームズラインの東海3冠達成は、21世紀初の快挙となった。大畑騎手は「周りからも言われていたので、3冠を取れてホッとしています。ゲートを出て手応え十分で、折り合いを重視した。最後は意外と脚が上がったが、頑張ってくれた。長くいい脚を使う馬なので、(全国の交流重賞でも)長距離で挑戦していきたい」と喜びをかみしめた。

 川西調教師は、東海ダービーを5度も制覇しているが、岐阜金賞にはこれまで縁がなかった。ここ7年で2着が4度と惜しいレースが続き、どうしても欲しかった1冠。3年前にはキーアシスト(丸野勝虎騎手)で挑んだが、大畑騎手のノゾミダイヤにハナ差負け。その大畑騎手に今年は手綱を託し、並々ならぬ決意で臨んだ岐阜金賞。「(初の古馬戦で4着だった)前走後も意外と元気で、きっちりと仕上げた。目標にしていたレースで、3冠への思いは強かった」と悲願達成に満足そう。

写真:3冠馬誕生を喜び合う川西調教師(左)と大畑騎手

3冠馬誕生を喜び合う川西調教師(左)と大畑騎手

 「先生の言う通りに乗った」という大畑騎手に対して、川西調教師は「彼にはリモコンを付けているからねえ。冗談ですが…」と、思い通りのレース展開にユーモアを交えたコメント。「ジワッといい脚が使える馬だが、安心はできなかった。(マイフォルテに騎乗した)吉原寛人騎手には、まくられないようにした」とレース後は一安心。

 東海ダービー制覇後には「水沢のダービーグランプリを狙いたい」と話していたが、「ジリ脚タイプなので、ちょっと厳しそう。馬の状態次第になるが、輸送距離も考えて、次走は金沢の北國王冠(11月12日)がいいかな」。大畑騎手も「ベストは2000メートル前後ですが、2600メートルの北國王冠でも勝利を狙う」と前を向いた。

写真:岐阜金賞ゴール前の熱戦。勝ったドリームズラインを追う2着アペリラルビー(左から4頭目)

岐阜金賞ゴール前の熱戦。勝ったドリームズラインを追う2着アペリラルビー(左から4頭目)

   笠松勢では、2着に食い込んで意地を見せた向山牧騎手のアペリラルビー。4コーナーからインを突き、外へ動いて鋭い差し脚で追い込んだが、勝ち馬には1馬身半届かなかった。「レース内容は結構良かった。でも相手が強かった。下手に乗っても勝っちゃうような馬で、完敗です」と向山騎手。園田・のじぎく賞を豪脚で勝った時のように重馬場なら、ゴール前はもっと際どかっただろう。

写真:9月の笠松・オータムカップを制覇した吉原寛人騎手

9月の笠松・オータムカップを制覇した吉原寛人騎手

 3着の園田・マイフォルテに騎乗した吉原騎手。「スタートで出遅れて、位置取りが良くなかった。勝ち馬をまくることができなかったが、最後はよく伸びてくれて力があるなあと。でもディープインパクトの子にしては…」とやや消化不良の様子。9月には園田・ウインオベロンで笠松・オータムカップを制覇。「(最近は園田からも)声を掛けてもらえるんで」と笑顔だった。

 笠松の佐藤友則騎手とともに、地方競馬のトップジョッキーとして遠征が多い吉原騎手。盛岡・南部杯では、7番人気ノボバカラで2着と健闘。GTレース10勝目を飾ったコパノリッキーには屈したが、3着キングズガード(寺島良厩舎)の追撃をかわした。応援していたキングズガード絡みで馬券(3連単)もゲットできて、吉原騎手にも感謝だ。

 久々の3冠馬誕生で盛り上がった笠松競馬だが、地元勢の岐阜金賞Vは、2010年のマルヨサイレンス(尾島徹騎手)が最後。近年は名古屋、園田勢に優勝をさらわれている寂しい現状。今年の2歳勢では、ビップレイジング(藤原幹生騎手)がJRA認定競走の秋風ジュニアとジュニアクラウンを連勝した。好位からの差し切りに磨きがかかれば、来年の3冠レースでも優勝を狙えそうだ。

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筆者プロフィール

【ハヤヒデ】
80年代から笠松競馬を愛し、オグリキャップの走りに感動した競馬ファンの一人。岐阜新聞社に勤務。