たい亭あたりの「おきらくご」
写真:右太治師匠がお書きになっためくり

右太治師匠がお書きになっためくり

 前回は、審査をお願いする方々のご紹介をしましたが、てんしき杯に携わっていただく方は、もちろんそれだけではございません。当日足をお運びにならなくても、側面から支えてくださる方も当然いらっしゃいます。その筆頭と言えるのが、橘流寄席文字の橘右太治師匠です。

 師匠は愛知県の蒲郡で農業を営む傍ら、東海地区の落語会のプロの寄席文字をほとんど一手に引き受けていらっしゃる寄席文字の師匠です。大学の落研や一般の方でも師匠の寄席文字を習おうという生徒を多く持ち、大変東海地区では名まえの知られている方です。てんしき杯は第1回から、この寄席文字の師匠にめくりを書いていただいていました。

 もともと寄席文字というのは、戦前はビラ字と呼ばれ特殊な形態の字体でした。ビラ字は、少しでも多くの客が寄席に集まって大入になるように縁起をかつぎ、字を詰まり気味に配し、隙間が最小限になるよう(空席がなるべく少なくなるよう)、またなるべく右肩上がりになるよう書かれているのが特徴です。いったん専門の方がいなくなったのを昭和40年、落語家から寄席文字書きになった橘右近師匠が「橘流」を創設、現在は総勢17名が名取として活動しております。その中の一人の右太治師匠が学生のために、とご自分の技術をおしみなく注いで書いてくださっためくりを、てんしき杯は使用しているのです。

 現在はあまりに参加が多くなりすぎていることもあり、希望者のみに参加料+αでお願いしていますが、いずれにしてもこのめくりがてんしき杯のグレードを引き上げているといっても過言ではないほど、右太治師匠の存在は落語界では大きいものなのです。

 さらに卒業したOBがお手伝いをしてくださいます。審査員の方々の食事は、関市で喫茶店を経営している私の家内の仲間が集まり調理室で作っていますし、それこそてんしき杯はそのうちだれが欠けても立ち行かなくなるのです。

写真:右太治師匠の印形

右太治師匠の印形

 そして、忘れてはならないのが明宝ハム、サイサン、サカエパンを中心とした企業の方々の協賛、岐阜市中心市街地回遊性協議会のバックアップ、一般の方の心付けです。この場を借りまして、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。

 加えて今年は、このてんしき杯に向けて関東で盛り上がっていこうという動きが出てきています。若者の街、東京下北沢のライブスペース「しもきたドーン」で行われる関東落研連合オールスター戦です。てんしき杯までに毎月1回の3回行われるこのイベントは、てんしき杯プレイベントとしてそれぞれ7人の学生がしのぎを削る新しい落語発信エリアになりそうです。

 第1回は6月19日の月曜日。私はこのイベントに審査員として招かれております。次回はこのイベントの結果報告をコラムで書こうと思っています。

 <つづく>

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