今月最大の話題は、東京スカイツリーの開業(22日)だ。先日、ひと足先に開催された内覧会に参加するため、押上駅に向かった。とうきょうスカイツリー駅(旧業平橋駅)も完成し、電車アクセスは東京タワーより良い。首が痛いほど見上げて、634メートルのスカイツリーの全貌を視界に刻む。多くのマスコミ報道陣も一様にテンションが高い。冷静さを気取る私も、実はワクワク感を抑えきれない。

 最高分速600メートルのエレベーターで、地上350メートルの「天望デッキ」にわずか50秒ほどで着く。岐阜県人としては、金華山・岐阜城からの景観と比べたくなる。感動のポイントは「川」だ。長良川と濃飛平野のマッチングの美しさと、隅田川と関東平野のハーモニーの美しさは絶妙に共通する。地球が描くドローイングの線は、マチスやポロック、篠田桃紅さんの描く線のように大胆で繊細だ。この景色を望む優越感に浸るひととき。あらためて、隅田川に架かる橋の美しさに目を奪われる。

 さらにエレベーターに乗り100メートル昇る。地上450メートルの「天望回廊」に到着する。この場所が東京スカイツリーの真骨頂。タワーの外側を一周する回廊(全長110メートル)から見るパノラマは見応え充分。岐阜県人としては、強く「海」を意識させられる。東京湾から三浦半島まで見渡せる俯瞰(ふかん)は、今までの体感を超える感動がある。

 内覧当日は曇り空だったが、快晴の日の眺望はまさに絶景だろう。天候の良しあしにかかわらず「天望回廊」までは一人3000円。高いも安いも入場者の想像力に委ねられる。

 「人生は、クローズアップで見れば悲劇だが、俯瞰で見れば喜劇である」と言ったのは喜劇王・チャップリン。確かに東京スカイツリーからの都市景観は人も街もこま落としの映画のようにコミカルで柔和だった。

(東京支社長 後藤栄司)