敵将(徳島・今井雅隆監督)のコメントが試合をよく物語っていた。「前半に運良く失点しなかったことが勝因につながった。先制されたら、(試合を)落とした可能性も十分ある」。Jリーグ入りに向けたJFLのラストスパートを控えるFC岐阜にとって、大きな収穫を得た敗戦。FC岐阜の松永英機監督は硬い表情で「0―2だが内容的には大差はなかった」と言い切った。
風上に立った前半が象徴的だ。中盤でFW片桐淳至が左右にボールを散らし、ワイドの大友慧や高木和正、両サイドバックが、スリーバックを敷く相手の裏を突いて好機を演出。「サイドを起点に1対2をつくったり、3人目の選手が飛び出したり…。(チームの)決まり事を中心とした攻めが、形になってきている」と大友。「組織プレーでサイドを崩す」というチームが目指しているサッカーの一端を、猛攻を仕掛けた前半にイレブンはしっかりと示した。
Jリーグ入りの「JFL4位以内」という条件クリアを目指すFC岐阜。リーグ戦は残り8試合あるが、FC岐阜は現在4位と“当落線”のがけっぷちに立たされている。それでも松永監督は「試合へのモチベーションは高かった」と、Jリーグ入りには直接の関係はない天皇杯で、勝利にこだわったイレブンの士気を代弁。「良かったところを残しながら、JFLの次戦に向けて準備したい」。2年連続でJ2に苦杯をなめさせられた代わりに、今後につながる成果をしっかりと得た天皇杯。主戦場のJFL次戦で、その真価が問われることとなる。