【コラム】県民が握る舵(かじ)
ピッチサイドで試合写真を撮りながら、ブログの速報を携帯電話で更新。そして原稿が書けるよう試合展開をメモ。2年間、取材し続けたチームがJFL最後の試合を戦っているというのに、あっという間の90分だった。12月2日・第9回日本フットボールリーグ最終節、FC岐阜×アルテ高崎。いつものメンバーがゴールを目指してボールを追い、いつものメンバーが自陣ゴールを死守して2ー0。いつものアウエー戦のように慌ただしく前後半がすぎる間に、チームは夢をかなえていた。 (続きを読む…)
ピッチサイドで試合写真を撮りながら、ブログの速報を携帯電話で更新。そして原稿が書けるよう試合展開をメモ。2年間、取材し続けたチームがJFL最後の試合を戦っているというのに、あっという間の90分だった。12月2日・第9回日本フットボールリーグ最終節、FC岐阜×アルテ高崎。いつものメンバーがゴールを目指してボールを追い、いつものメンバーが自陣ゴールを死守して2ー0。いつものアウエー戦のように慌ただしく前後半がすぎる間に、チームは夢をかなえていた。 (続きを読む…)
いよいよJリーグだ―。FC岐阜のJ2入りが決まり、県初のプロスポーツチームが誕生した3日、地元・岐阜は歓喜の渦に包まれた。クラブ拠点の岐阜市学園町の未来会館では、多くのサポーターが今西和男GMや続投が決まった松永英機監督、選手と感動を分かち合った。岐阜市役所には早速Jリーグ入りを祝福する横断幕も。サポーターや市民からは「岐阜の誇りと思って応援したい」と期待の声が上がった。
「チームを信じて応援してきて本当に良かった」。J2入り決定の吉報が今西和男GMから伝えられると、岐阜市学園町の未来会館に集まった約30人のサポーターは、ガッツポーズをしたり、涙を流しながら抱き合った。チームが不調の時でもスタンドから声をからし、資金面でも支えようと奔走したサポーターは、待ち望んだ一瞬を体中で味わった。
「Jリーグ入りが決まりました」。3日午後4時40分ごろ、Jリーグ理事会から電話連絡を受けた今西GMは、真っ先に2階の会見場から1階に集まったサポーターのもとに向かい報告。サポーターからは「やったぞ」と歓声と拍手がわき起こった。
サポーターでつくる団体「G―style」の木村正治代表(35)は、今西GMと握手を交わした途端に涙がこみ上げた様子で「県リーグから東海リーグ、JFLと応援してきた道のりを思い出した。Jリーグがゴールではないので、地域に愛されるクラブにみんなで育てていきたい」と話した。岐阜市の会社員横井圭介さん(33)は「最高の気分。メードインギフのチームだからこそ県民が誇りを持てるし、地域活性化につながる」と喜んだ。
松原郁夫県サッカー協会副会長は「これまで高校サッカーが全国で活躍することはあってもその次がなく、ピラミッドの頂上がなかった。プロチームの存在によって子どもたちに目標ができ、サッカーの普及だけでなくスポーツ振興にも大きく寄与する」と期待を寄せた。
一方で資金面での課題は依然として残る。個人持株会理事長の中西謙司山中製菓社長は「皆さんの小さな力を合わせて、FC岐阜をもっともっと大きくして地域の誇りとして育ててほしい」と出資による支援を呼び掛けた。
(写真)感極まった様子で今西和男GM(左)と握手を交わし、喜びを分かち合うサポーター団体代表の木村正治さん=岐阜市学園町、未来会館