甲府戦・選手コメント集

23日のヴァンフォーレ甲府戦は0―4の完敗を喫し、6連敗となりました。
敗れはしたものの、前節の仙台戦(0―1)ではチーム状態が上向いていただけに、何とか「勝ち点3」という結果がほしいところでした。しかし、僕個人の感想は「仙台戦ほど悔しくなかった」というところでしょうか。決して「負け慣れ」ではないですし、強がりでもありません。ただ「甲府がめちゃくちゃ強かった」という驚きが大きくて。マラニョン、サーレス、大西のスリートップは本当に切れてましたね・・・。
しかし「相手が強かった。しょうがない」を言ってしまうと進歩はありません。甲府の戦い方とFC岐阜のそれは異なりますが、学ぶべきところは大きいと思います。
というのも、新聞本誌には「守勢」という言葉をつかいましたが、サッカーでこの言葉は非常に怖い言葉だと思うのです。「ずっと守備に追われている」という状態だけを指す言葉ではなく、「攻撃への切り替えで、躊躇(ちゅうちょ)が生まれる可能性もある」という側面もあるからです。
詳しく書くと、「相手からボールを奪って前に展開→ラインの押し上げ→侵攻→奪われる→再び戻って守備」のスパイラルに陥ると、どうしても思い切った展開という選択肢は避けたくなります。それもそのはず。「また守備に戻るのではなく、まずマイボールにしておきたい」という考えと、「何とか1点を返したい」という気迫が同居するからですね。「とりあえず落ち着いて相手のほころびを探そう」「いや、今がチャンスだ」という具合です。
守勢の時間が長く続いてチーム全体が疲弊してしまうと、どうなるでしょうか?選手同士が共有すると武器になる「好機への嗅覚」が確実に鈍ります。展開への迷いも生じ、ミスも増えます。何でもない横へのショートパスが1本増え、その間に相手が守備ブロックを形成してしまいます。甲府戦でのFC岐阜は、「守勢の悪循環」に陥ってました。
翻って甲府はどうだったでしょうか。「好機への嗅覚」という意味では、非常に効率的なサッカーを展開していました。J1復帰に向けて後がないチームですし、甲府にとってFC岐阜戦は何点でも得点を加えておきたい試合だったと思いますから、なおさらでしょう。守備の段階から前3人(FW)を意識し、ピッチ上に「同じ絵」を描いて戦う時間帯が長かったように感じます。得点に向け選手個々が同じイメージを描いているからこそ、選手の判断に迷いはなく、必然的にプレーが速いものになっていました。FC岐阜は、「甲府が描く絵」に翻ろうされてしまったと思います。
僕は、FC岐阜の選手個々の判断スピードが大きく劣っているとは思いません。状況判断の力もまた然りです。ただ「11人全員」という意味では、判断のスピードが大きく劣っていたと感じます。もちろん、守勢の時間が長かったという大きな原因もあります。難局を個人能力で打開できる選手が少ない事情も原因となっているのかもしれません。しかし、守備でも攻撃でも、11人が同じ絵をイメージできていれば、判断やプレーのスピードはもっと加速できるチームだと思っています。問題は、「絵」が1日や2日で完成するものではないということです。
長くなってしまいましたが、甲府戦後の選手コメントの要旨を紹介します。
FW片桐淳至「悔しい。こっちは集中力を持って戦っていたのに、また先制点を取られてしまった。早い時間に取られると、ペースを持ってくる(引き戻す)のは難しい。
レベルの差より、相手のハードワークがすごかった。こっちのミスも多かったけど、(FC岐阜は)まるでシャトラン(練習)をやっているようだった。
(この完敗を)吹っ切って、勝てる日が来るまで一生懸命にやるしかない。残り7試合は、ホームの方が多い(福岡、山形、横浜FC、鳥栖の4試合)。ホームで1勝でも挙げて、サポーターを喜ばせたい」
DF菊池完「相手は、(対戦相手=FC岐阜を)圧倒する力、パワーがあった。会場を含めて、全体的なまとまりがあった。
気持ちを切り替えて、残り7試合に向けて準備をする。自分のレベルアップは、チームのレベルアップにもつながる。切り替えて1人1人、自分も含めて、最大限の努力をしていきたい」

