悔しい敗戦 猛攻も実らず 福岡戦
「この試合も含め、(これまでで)一番悔しい思いをした試合だと思います」。松永英機監督は試合直後の会見で、珍しく心情を吐露(とろ)する言葉で切り出した。狙い通りのプレーをし、試合を支配し、相手ゴールに迫り続けた90分間。「本当に残念で、悔しい。その2つしかありません」。指揮官の苦渋の表情が、何とも痛々しかった。
Jリーグチームではまれな、マンマークを付けてくる福岡の守備陣を混乱させる狙い。「前半はほぼ完ぺきな流れをつくれた」(松永監督)と、これ以上ない形で決まった。前線でスペースをつくりボランチ佐藤聡や左SBの菅和範が前に出て攻め立てた。「やろうとしているサッカーはできた」(MF北村隆二)、「流れもよかった」(FW片桐淳至)。それだけに、悔しさは倍増した。
FC岐阜が勝っていた点を挙げれば、きりがないだろう。選手の運動量や、フェアに戦う姿勢、勝利を目指し最後まで攻め続けるサッカー内容…。ある選手は「(相手の遅延行為や球際の)プレーは汚いし、『1点取って、守り切ればいい』なんて。あれがJ1を目指すチームなのか」。負け惜しみではなかった。
普段の敗戦後は必ず「気持ちを切り替えて次に臨む」と冷静に話す松永監督だが、この日は違った。「次の試合にこの悔しさをぶつける。この悔しさを忘れてはならない」。ラスト5分で、松永監督は座っているベンチメンバーやコーチ陣も立たせて、ピッチの選手にエールを送らせている。それほど「勝ち」が近くにあるのに、届かなかった試合だった。

