<J1年目の総点検> 総評
経営危機、来季は正念場 県一丸の応援が必要
チーム創設からわずか7年という破竹の勢いでプロ化したFC岐阜。Jリーグ1年目の今季は、クラブ組織や熱心なサポーターの努力があった一方で、いま一つ県民や県内企業の盛り上がりがなく、結果的に「経営危機」など負のイメージが先行したシーズンとなった。プロスポーツに対する熱狂だけでなく、地域活性化に向けた潜在能力もFC岐阜は持っているだけに、一向に熱くならない周囲の雰囲気が浮き彫りとなった点は物足りなかった。
Jリーグ初参戦の今季、FC岐阜はクラブ運営の軸に据えた「地域貢献」を真剣に取り組むクラブとなった。昨年は約50回だったサッカー教室などの地域貢献活動を今季は倍増させ、積極的に地域に繰り出した。チームはJ2の15チーム中13位で、ホームでは3勝しか挙げられず苦戦したが、「FC岐阜が岐阜に存在する意義」という「実」を伴ったクラブへの成長路線は確実に歩んだ。
しかし景気悪化の影響もあり、クラブ運営を助ける協賛金が一向に集まらなかった。当初は「岐阜のチームだから岐阜の企業に」(今西和男GM)と県内企業に絞って営業活動を展開していたが、県内の有力企業は首を縦に振らなかったという。現在は県外企業にも候補を広げたが、地元企業が地域活性化に向けた活動を行うFC岐阜に無関心であれば、県外での苦戦も必至だ。
FC岐阜のアマチュアチーム「FC岐阜セカンド」は国体で4位入賞を果たし、来季からはユースチームも新設されるなど、競技力向上に向けた動きや結果も出てきた。さらに他の少年サッカーチームや、他競技団体との連携も模索している。大企業の資本に支えられ、地域とのつながりを積極的に持たなくても存続できるJリーグチームもある中、FC岐阜は身の丈に合った地域密着型という独自の魅力もつくろうとしている。
今のFC岐阜は、運営会社が抱える累積赤字が3憶円を超えるなど、県民や企業が一丸となってチームを支えるうねりが巻き起こらなければ、チームの存続が危ぶまれるレベルにまで困窮している。経営の健全化に向けた苦しいスタートを切る来季は、チームにとって、そしてチームを支えるべき立場の「岐阜」にとっても正念場。FC岐阜は、1年目から岐路に立たされたと言っても過言ではない。
(写真)「WE ARE GIFU」を掲げFC岐阜に声援を送るサポーター。来季は県を挙げた一層の盛り上がりが必須だ=長良川競技場

