駆け抜けた「J」2年目(1)~「走るサッカー」スタイル確立
FC岐阜が今季、変わった。若いチームは、J2で18チーム中12位、天皇杯全日本選手権では初のベスト8と奮闘。伸びしろを感じさせたプロ2年目を振り返り、来季への課題を探る。
「90分間、ひた向きに走り抜くサッカーを目指す」
今年1月19日。まだ初々しい大卒を中心とした15人の新加入選手が同席した会見で、松永英機監督が決意を語った。選手ががらりと入れ替わった「新生FC岐阜」。一からのチームづくりが始まった。
開幕から間もない3月下旬。ホーム草津戦を挟んで中3日で愛媛、徳島と四国でのアウェー試合が続いた。不慣れな過密日程もあったが、戦術がかみ合わずにいた。結果はともに3失点の完敗。暗雲が立ち込めた。
最年長のDF秋田英義は明かす。「選手が入れ替わっても、去年と変わらないと言われた。正直、つらかった」と。
昨季、チームは崩壊寸前にあった。試合後半になれば足が止まり、ピッチの上で選手がののしり合う。そんなバラバラの状態を変革することこそ、選手を大幅入れ替えした最大の理由だった。
だが、9試合連続で白星を飾れなかった時も、監督はきっぱりと言い切った。「敗戦に下を向くことなく、あきらめずに次に向かって進んでいく」
昨季は失速していった夏ごろ。信念が実を結び始めた。
チーム初の4連勝。昨季はたった3勝しかできなかったホームで11試合負けなし。記録をつくった。中盤をダイヤモンド型に配置し、攻撃に幅が生まれたこともあるが、一貫して追求してきたスタイルが、かみ合い始めたのだ。
今季、リーグ、天皇杯と全55試合に出場したMF嶋田正吾は言う。「負けても、やろうとしたことは変わらなかった。やり続けることで勝つようになり、勝つことで自信が出てきた」
高い位置からボールを追い、早い切り替えでゴールに向かう。リーグ通算62得点のうち17得点が後半30分を過ぎてから。「後半に入っても岐阜は足が止まらなかった」。そう相手監督を嘆かせた。
「走るサッカー」が岐阜の武器になった。
(写真)試合で指揮を執る松永英機監督。走るサッカーを掲げてきた=今月5日、長良川競技場

