柔らか波模様に温かみ ガラス作家の安土さん − 岐阜新聞 Web

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柔らか波模様に温かみ ガラス作家の安土さん
2017年04月21日 10:16
写真:柔らか波模様に温かみ ガラス作家の安土さん
透明感のある安土さんのガラスの器=高山市国府町宇津江、やわい屋

◆地元高山市で初の個展

 ガラス作家安土草多さん(37)=岐阜県高山市松本町=の個展が同市国府町宇津江の工芸品店「やわい屋」で開かれている。波板ガラスを思わせる器の自然な揺らぎはどこか懐かしく、温かみを感じさせると評判だ。安土さんは「器は使われて初めて完成する。使う人に、器の美しさをどう感じるかを委ねる面白さがある」と語る。5月11日まで。

 安土さんは大学中退後、ガラス作家の父忠久さん(70)に師事。2002年に自宅近くに自分の窯を設けた。余計な焼き締めをせず素早く仕上げるのが信条。刻々と温度が変わる自作の窯を相手に、一つ一つの作業時間を微調整しながら、毎日40〜60個を作る。「翌朝は起き上がれなくなるほど、集中して多くのガラスを吹いた父の姿が焼き付いている。自分もまだまだやれるという気持ちになる」と話す。

 思い付くまま作ってたくさん失敗する。失敗から思わぬ形が生まれ、その組み合わせで幅はどんどん広がる。採寸や記録はあえてせず、次の作品の構想は常に頭の中にある。柔らかい波模様が表れる鉄型は30種類に及び、グラスやランプシェード、花瓶などが作られる。東京や大阪などで作品展を開くほか、中国や台湾などでも販売されている。

 飛騨地域では初の個展。店舗である古民家の縁側に、大きさや形が一つ一つ異なる約100種類計約300点が並ぶ。「器は1人だけで作るのではない。使い手の声を聞き、だんだんと飛騨の人になじむ物を生み出せていけたらいい」と話している。