故郷喪失、アートで表現 県美術館 − 岐阜新聞 Web

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故郷喪失、アートで表現 県美術館
2017年11月11日 08:41
写真:故郷喪失、アートで表現 県美術館
紛争や災害で故郷を失った人をテーマにした現代美術作品が並ぶ会場=岐阜市宇佐、県美術館

 紛争や災害のため故郷を追われた人たちをテーマにした企画展「ディアスポラ・ナウ! 〜故郷(ワタン)をめぐる現代美術」(岐阜新聞・ぎふチャン後援)が10日、岐阜市宇佐の県美術館で開幕した。パレスチナやシリア出身などの6組7人のアーティストが、映像やインスタレーション約40点を出品し、故郷や世界に向けたメッセージを表現している。来年1月8日まで。

 ディアスポラとは、種などが「まき散らされたもの」を意味する。ユダヤ人の民族離散の歴史を指すことが多く、展覧会では他の民族や原発事故避難民も対象にしている。

 旗とほうきで国家体制を象徴させたインスタレーション、原発避難民の心情を作業を通して引き出した映像作品、命懸けの逃避行を連想させるタイヤチューブと船の映像を組み合わせた作品などが並ぶ。喪失感を抱え絞り出された言葉や、過酷な現実を想起させる表現が胸を打つ。

 難民の写真に文字を重ねた作品を制作したシリア出身のアクラム・アル=ハラビさんは「戦争の前で自分は何もできない。文字を重ねることで画像の向こうにある新しいものを生み出したい」と話した。