【移動編集局】地方創生〜チカラは地から〜 中濃編

活かせ!中濃の資源

関から南進夢つなげ 長良川鉄道とJR高山線結ぶ新線構想

関市から南へ鉄路を結ぶ新線構想が浮上している長良川鉄道=同市内
オープンを控え、雪づくりに取り組む派遣社員の男性(手前)=郡上市高鷲町大鷲、鷲ケ岳スキー場

◆経済界主導 名古屋へのアクセス向上

 地方創生を念頭に置いた公共交通機関のインフラ整備として、旧国鉄越美南線を引き継いで運行している第三セクターの長良川鉄道(本社・関市)と、各務原市や加茂郡坂祝町を走るJR高山線を結ぶ新線構想が浮上している。関―各務原間は美濃太田駅(美濃加茂市)を経由しなければならないが、新線ができれば同間を近道で結び、名古屋方面へのアクセスが向上。関、美濃、郡上市まで長良川流域の人の移動を活発にさせ、移住定住につなげたい考え。構想実現に向け、沿線の経済界が賛同を求める活動を進めている。

 構想によると、直線距離で延長10キロ程度を鉄路で結ぶ。具体的ルートは用地買収、線路敷設工事の整備費を抑えるため住宅地はできるだけ避け、山はトンネル化し、JR高山線へ乗り入れる。各務原市内でJR鵜沼駅と隣接する名鉄新鵜沼駅から先は名古屋市やその先の中部国際空港へとつながることになる。

 新線の利用客は、同空港に降り立ち長良川流域へ向かうインバウンド(訪日観光客)をはじめ、関市南部の関工業団地進出企業へ通勤する従業員、中部学院大、同短期大学部、中日本航空専門学校への通学者などを想定。人の移動を増やすことで経済効果を狙う。

 関市南部に中間駅の開設も視野に入れるほか、逆に関市などから名古屋方面へ移動するビジネス客らの利用も見込む。開通時期は、リニア中央新幹線が名古屋まで部分開通する10年後の2027年を目標に思い描いている。

 関商工会議所が本年度事業で地方創生に取り組む中で構想が浮上。地方創生担当の粟倉元臣副会頭が中心になって構想をまとめ、中濃5市商工会議所、長良川流域にある中濃地域の自治体、市議会や長良川鉄道、金融機関、大学、企業などのトップや幹部らに新線の趣旨を説明して回っている。

 課題の一つになりそうな整備費は、LRT(次世代型路面電車)を採用した富山県や熊本県などの先進事例を研究し、1キロ当たり30億円程度で可能性を探る。粟倉副会頭は、「活動は民間がリードして自治体、地元住民の三位一体で進められるかが鍵を握る」と話す。

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