【移動編集局】地方創生〜チカラは地から〜 中濃編

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進む移住 城下町活気 郡上八幡、町家改修で新店続々

進む移住 城下町活気 郡上八幡、町家改修で新店続々
7月に開店した店の前で知人と談笑する美濃島聖也さん(左)=郡上市八幡町新町

 県内有数の観光地、郡上市八幡町の城下町で近年、I・Uターン者が新店舗を構える事例が増えている。特に通称・南町と呼ばれるエリアでは、この2年間で、少なくとも10店舗が開業や開店をした。移住者と住民が連携した新たなつながりが生まれ、人が人を呼ぶ動きが加速している。

 新規出店などが相次いでいるのは、郡上おどりで徹夜おどりの会場になる南町の一部、新町通り周辺。ラーメン店、町家カフェ、ゲストハウス、キリム・絨毯(じゅうたん)店など、業種は多様だ。

 新町に7月、木工製品販売と木工体験の店「器用人(きようじん)」を開店したのは、美濃島聖也さん(28)=同市白鳥町出身=。大阪の大学院を修了後、都市部で2年間の会社勤務を経て、4月に郡上市の建築会社にUターン就職。新規事業として店を任され八幡町内で妻と暮らす。「八幡は人との関係が密。新しいことを起こそうとしている人が多い」と刺激を受ける。

 こうした出店が相次ぐ背景に、郡上八幡産業振興公社の空き家対策専従職員「チームまちや」の活動がある。2015年に発足し、家主とのやりとりをしながら、町家や古民家の改修を毎年6、7軒ペースで実施。改修後は、続々と入居者が決まり、移住者らの橋渡しをしている。「器用人」の入居先も、店の運営会社がチームに相談したことがきっかけで決まった。

 今月18、19日、市内の空き家を紹介するイベント「町家オイデナーレ」の運営にも関わる。過去2回の開催で、空き家見学ツアーの参加者が移住を決めて店舗を構えたり、イベント出店者が八幡町で事業を起こしたりする事例が、少なくとも4件あるという。チームの武藤隆晴さん(63)=同市八幡町=は「この2年間で移住者がどんどん新しい情報を発信し、それが拡散している」と話し、ネットワークの広がりを肌で感じている。

 県内の各自治体に先駆け、08年に郡上市交流・移住推進協議会(ふるさと郡上会)が発足。移住定住には民間主導で取り組んできたが、近年は行政の支援も手厚くなっている。今年は、情報通信技術を活用して働く場所に縛られない「テレワーク」のオフィスも国などの補助を受けて完成した。さらに、都市部の若者を呼び込み、移住と新規事業につなげるプロジェクト「郡上カンパニー」を来年4月から稼働させようと準備も進んでいる。移住促進の活動は今後、勢いを増しそうだ。

【町家オイデナーレ】 郡上市八幡町市街地一帯を会場に2015年11月から始まった空き家を紹介するイベント。3年目の今年は、チームまちやを主体とする実行委員会が主催。市街地に空き家が多いことから、町並みを守るために町家の生かし方を模索しようと始まった。今月18、19の両日は、改修済みの町家や改修着手前の町家、町家活用店舗など7軒を巡る見学ツアーのほか、市街地32カ所でイベントが催される。

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