【移動編集局】地方創生〜チカラは地から〜 中濃編

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若き猟師「農地守る」 郡上市の六ノ里地区

松川哲也さん(右)が経営するカフェの前で、猟について話す小松隆一さん=郡上市白鳥町六ノ里
松川哲也さん(右)が経営するカフェの前で、猟について話す小松隆一さん=郡上市白鳥町六ノ里

◆I・Uターンの3人 深刻な獣害に奮起

 郡上市白鳥町の白尾山(しらおやま)(1612メートル)の麓にある六ノ里(ろくのり)地区では、約2年の間にI・Uターンの30〜40代の男性3人が、新たに狩猟免許を取得した。地区内で減少していた猟師数に歯止めが掛かり、地元からは後継者として期待されている。15日に始まる猟期を前に、3人は「獣害から六ノ里の農地を守っていく」と、決意を新たにしている。

 六ノ里は「ぎふの棚田21選」の「三ケ村・畑ケ谷棚田」があり、近年はおいしい米の産地として知られる。約250人が暮らし全世帯98戸のうち8割が農家。近年若い世代の移住者も増えているが、高齢化率は49・59%で、1人暮らしの高齢者も多い。

 狩猟免許を取得したのは、農家でペンション経営の小松隆一さん(46)、カフェ経営の松川哲也さん(37)、郡上森林組合職員の嶋田幸洋さん(34)。

 小松さんは、2年前に「わな猟」、昨年猟銃で猟ができる「第1種」の免許を、それぞれ取得した。17年前、結婚を機に六ノ里へ移住。約10年前から米作りに本腰を入れ、近年は米コンテストで入賞する米作りに精を出すが、田畑の作物が度々、シカやイノシシに荒らされてきた。「ここで米作りを続けるなら獣害は避けては通れない。自分で何とかするしかない」と、免許取得に取り組んだ。

 松川さんは今夏、わな猟と第1種を取得。六ノ里出身で5年ほど前にUターンし、カフェを開いた。猟師になるつもりはなかったが、地元の獣害対策の深刻さ、猟師の高齢化などの現状を知り「今、ベテランから学ばなければ、地元の農地を守っていけなくなる」と危機感を持った。「地元が好きで戻ってきた。地域が存続していくためには若手猟師が必要」と取得理由を明かす。嶋田さんは、約2年前に愛知県小牧市から家族で移住。第1種を取った。

 市によると、六ノ里の狩猟免許取得者は、2014年に6人、15年は5人と減少傾向だったが、昨年は7人、今年は9人に増えた。ベテラン猟師らも歓迎する。「若い子らがやる気になってくれるのはうれしい。一緒にやろうという気になる」と話すのは、六ノ里の集山政治さん(66)ら先輩猟師たちだ。「自分たちも年を取り、猟に限界も感じる。いろいろ山について教えたい」と、後継者の存在を頼もしく感じている。

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