【移動編集局】地方創生〜チカラは地から〜 中濃編

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和紙の光 世界照らせ 美濃市のあかりアート、知名度アップへ出展

和紙の光 世界照らせ 美濃市のあかりアート、知名度アップへ出展
うだつの上がる町並みに作品が並び、多くの観光客でにぎわう美濃和紙あかりアート展=10月8日、美濃市

 美濃市の象徴、うだつの上がる町並みに並ぶ柔らかな和紙のあかりオブジェ。同市で毎年10月に行われる美濃和紙あかりアート展は今年で24回目を数え、今や県を代表する秋の一大イベントとなった。しかし、せっかくの作品のお披露目が、2日間だけではもったいない。県内外のイベントに作品を貸し出す件数を増やし、国内外で知名度を上げようという試みが始まっている。来年2月には台湾のフェスティバルへの出展も決まり、貸し出しでは過去最多の作品100点が海を渡る。

 同展への出品作品は、主に美濃和紙を使用することが条件。主催団体の一つで、市民有志で構成される同展実行委員会では出展者への和紙販売をしており、和紙の消費にもつなげている。折る、張る、曲げる、ちぎるなど紙の特性を生かしたさまざまな作品は、紙が表現できる形の可能性を見物客に伝える。

 初開催は1994年。市制40周年を機に、うだつの町並みと美濃和紙を絡めて行われた。第1回の応募総数は80点。「見物客は、道の真ん中に椅子を置けるほど少なかった」と、同実行委員長の田代智亜紀さん=同市曽代=は振り返る。来場者数を増やそうと、ステージイベントを開くなどして話題をつくった。

 転機の一つが2002年の「第6回ふるさとイベント大賞」の総務大臣賞受賞。地域の優れたイベントとして認められ、認知度が上がった。今年は全国から400点以上の応募があり、来場者も2日間で9万人にのぼった。さらにもう一つが、05年の愛知万博(愛・地球博)。依頼を受けて作品を初めて貸し出した。アクリルケースに入れれば、屋外でも長期間作品を展示できる手応えをつかんだ。

 東京・上野公園で開催される最新のエネルギー技術で光が楽しめるイベント「創エネ・あかりパーク」など、年々、常連出展先も増え、昨年度は東京、愛知、富山県など計17カ所に貸し出した。貸し出しをスムーズに行おうと、QRコードを使った作品の管理システムを、来年から導入する予定だ。

 来年、台湾南部の嘉義(かぎ)県では、同国の国民的祭り「ランタンフェスティバル」(3月2〜11日)が開かれ、本祭前の独自イベント(2月16日〜3月1日)を含む約1カ月間、100点を出展しようと準備を進める。「和紙になじみの薄い欧米などへの足掛かりにしたい」と、田代さんは期待を込める。

【美濃和紙】 奈良の正倉院に残る最古の戸籍用紙の一つで1300年以上の歴史を有する。産地や生産者、原料など7項目の基準によって「本美濃紙」「美濃手すき和紙」「美濃機械すき和紙」の3区分に分類される。高級品の「本美濃紙」は2014年に「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」としての国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録された。原料や製法、製紙用具などの指定要件の下、認定団体の本美濃紙保存会員が漉いたものを指す。

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