【移動編集局】地方創生〜チカラは地から〜 中濃編

中濃 未来を切り開く

宿場町に新たな息吹 中山道、アウトドア拠点と相乗効果へ

宿場町に新たな息吹 中山道、アウトドア拠点と相乗効果へ
見物客でにぎわう太田宿中山道まつりの「姫道中」=10月、美濃加茂市太田本町

 江戸時代の風情を今に残す、旧中山道の太田宿(美濃加茂市)、伏見宿(可児郡御嵩町)、御嶽宿(同)。近年の中山道ブームの盛り上がりや外国人観光客の増加を追い風に、かつてのにぎわいを取り戻そうという機運が盛り上がっている。空き家の活用やアウトドアと歴史との相乗効果を狙うなど、住民と行政が協力し新しい息吹を生み出せるかが注目を集めている。

 太田宿かいわいは、姫道中などが催される太田宿中山道まつりの際ににぎわいを見せるものの、イベントのない時期は人通りが少ないのが現状。住民の高齢化などで、空き家も目立ち始めている。

 打開策として美濃加茂市は、出店補助や支援事業「姫Biz(ビズ)」を開始。厳選豆を扱うコーヒー店や手作り家具店、雑貨店など、この約2年半で県内外からの出店者が7軒開店。遠方からの来客も増えた。デザイン衣料やエステ、革製品の出店も見込まれている。太田宿の活性化を進めるNPO法人「宿木(やどりぎ)」の佐光重廣理事長は「こだわり派が集う、ものづくりの文化発信拠点となる可能性も秘めている」と期待する。

 課題もある。空き家の耐震性や下水道整備などへの初期投資の負担が大きいことや、建物と土地の所有権の複雑さなどが、出店希望者にとっては高いハードル。今後はその解消策が不可欠だ。

 さらに市は、太田宿近くを流れる木曽川沿いの中之島公園にバーベキュー広場などを再整備、来年度の供用開始を目指す。歴史にアウトドアの魅力を掛け合わせて、にぎわいの創出を狙う。対岸の可児市も、川沿いの整備に意欲を見せており、広域的なエリアでの活性化に期待がかかる。

 御嶽宿では、入り口にある名鉄御嵩駅を起点にしたウオーキングツアーが増加。昨年6月に御嵩町内の中山道約3.6キロが国史跡に指定されたことなどを弾みに、名古屋圏からの流入だけでなく、外国人ツアーも多い。

 町は、伏見宿や他の名所とのつながりも重視した「歴史体感・滞在型の観光地」と位置付け、本年度から5カ年の基本計画も策定。御嶽宿内で購入した旧旅籠(はたご)を宿泊施設に活用する検討を始めており、新たな宿場町の形成に乗り出す。計画の事業主体を担う民間の地域まちづくり会社を設立することも支援している。渡辺公夫御嵩町長は「宿場町という点を線としてつなぐだけでなく、周辺の名所を含めた帯で考えることが重要」と連携強化の必要性を強調する。

【中山道】 江戸時代に整備された五街道の一つで、江戸と京都を結ぶ全長約530キロに69の宿場が置かれた。県内はそのうち約127キロに17宿がある。京都から江戸へ公家の姫が将軍に降嫁するルートとなったことから「姫街道」とも呼ばれる。太田宿は、近くに中山道三大難所の一つといわれた「太田の渡し」があり、飛騨街道と郡上街道の分岐点として栄えた。伏見宿は国有形文化財の「松屋山田家住宅」、御嶽宿は本陣建物や商家などが立ち並び、当時の風格を残す。

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