【移動編集局】地方創生〜チカラは地から〜 中濃編

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人に優しく千畝の教え 八百津町に広がる人道教育

人に優しく千畝の教え 八百津町に広がる人道教育案
杉原千畝氏を題材にした創作劇を演じる八百津小学校の児童=3日、可児市瀬田、花フェスタ記念公園

◆児童「功績伝えたい」創作劇も

 第2次世界大戦中に多くのユダヤ難民の命を救った外交官、杉原千畝(ちうね)氏(1900〜86年)の人道行為に基づき、「人道のまち」を目指す加茂郡八百津町に千畝氏を知らない子どもは、いない。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)の登録は逃したものの、子どもたちからは「これからも思いやりの心や人に優しくする精神を深めていきたい」と声が上がる。町が進める「人道教育」は根付きつつある。

 千畝氏の功績を顕彰するため、町は2006年から「世界に発信する人権教育推進のまち」を合言葉に人道教育に力を入れる。八百津小学校では同年から毎年、6年生が千畝氏をテーマにした創作劇を公演している。また、全小中学校で町内にある杉原千畝記念館を見学する授業があるほか、学校独自で気持ちが温かくなる「ほかほか言葉」や、あいさつ運動など多彩な取り組みを行っている。

 八百津小の創作劇は下級生にとって「やりたい役が決まっている」(保護者)というほど人気。今月3日、可児市の花フェスタ記念公園で、5、6年生が創作劇「イェフダーと七つの灯」を情感たっぷりに演じた。

 6年の山内玲佳さん(12)は上演後、「世界記憶遺産には登録されなかったけど、千畝さんから学んだ人道精神、千畝さんの功績に誇りを持ち、憧れている。大人になっても生かしていくこと、伝え続けていくことが私たちの責任」と話した。

 八百津高校では8日、町在住のイスラエル人女性リバーモア・ハニトさん(48)が、1年生に千畝氏や当時の時代背景などを講演。美濃加茂市から通うブラジル人の丸山メリッサさん(16)は「ヒトラーが選挙で選ばれた人物だと分かった。同級生はあと2年で選挙権を得るけど1票を大切にしてほしい。私も歴史から学びたい」と感想を述べた。

 町の取り組みは町外の生徒にも広がり、引き継がれていく。

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