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幼児を診察する小児夜間救急室の医師ら=29日夜、大垣市南頬町、大垣市民病院
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「少しでも早く診てもらったほうがいいと思って」。安八郡安八町から訪れたという父親は、夕食後におう吐したという4歳の長男を心配そうに見つめる。29日夜の大垣市民病院(同市南頬町)の救命救急センター前の待合室は、「インフルエンザじゃないかと思って」「急に熱が出た」と訴える親子連れらがソファを埋めた。正月を前にしたことし最後の土曜。大人も子どもも次々と時間外診療に訪れた。
午後8時半すぎ、サイレンを鳴らし、救急車が2台立て続けに急患を運んできた。センター内のベッドは埋まり、成人の外来患者の診察は滞り始める。午後9時20分、待合フロアに「救急外来が混雑しているため、診察は3時間待ちとなっています」とアナウンスが流れた。順番を待つ人たちから「そんなにも…」とため息が漏れた。
そんな状況下でも、子どもの診察だけはスムーズに流れるよう、大垣市や岐阜市は取り組んでいる。大垣市民病院では市医師会などが協力する「小児夜間救急室」を開設。毎週木曜と土曜の午後6時から同10時までは、同病院の当直医に加え、当番の開業医が小児患者を診察する。
小児科外来の患者数はインフルエンザなどが流行する冬に多く、時間外診療の患者数も増える。小児科の男性医師は、開業医の協力体制に感謝しつつも「もっと、受診数を減らす工夫が必要」と話す。
医師側が感じているのは、子どもを連れてくる親の意識として「救急」という言葉の意味が薄れていることだ。近藤富雄副院長(62)は「小児科を訪れる時間外患者のうち、入院が必要な重症患者はそのうちの1―3%」と話す。残りの90%以上は、発熱やせきなどの軽症。別の医師によると「せきと鼻水が出るといって、深夜2時か3時に子どもを連れてくる親もいる」という。
救急医療では、限られた医師数で対応している病院に軽症患者が集中すれば、重症患者が発生した時に支障をきたす恐れがある。月に6回以上当直をこなす医師は「当直の本来の姿は、入院患者に何かあった時に対応できるようにしておくこと。時間外患者の対応を夜通ししていたら、仮眠もできない」と体力的にも厳しい現状を嘆く。29日も午後10時から翌朝までに、12人の小児患者が訪れた。
核家族化で相談相手がおらず、共働きなどで日中の診察が困難な親が多くなり、時間外の小児患者は増加の一途をたどる。岐阜市の小児夜間急病センターに当番医として加わる田中浩県小児科医会会長(65)は「救急の意味を、子どもを持つ親にはもっと理解してほしい」と意識の変化を促す。
ただ「何かあった時に、診てもらえるという安心感を持ってもらうことは必要。われわれ開業医が協力し、まず診察して病状を判断してあげられる環境を整えていきたい」と、地域全体での小児救急体制の充実を目指している。
【小児科の夜間救急】
大垣市は2004(平成16)年4月から大垣市医師会の小児科・内科医の協力で大垣市民病院内に「小児土曜夜間救急室」を開設した。ことし4月からは市外の医師が加わり、木曜も診察している。岐阜市は02年4月、岐阜市民病院内に小児夜間急病センターを開設。月曜から土曜まで、開業医が当番制で診察に当たっている。
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