フォーカスぎふ

2008年11月26日(水)

岐阜発「混合型血管奇形の難病指定を求める会」

活動始めて1年、患者や家族をつなぐ

署名や請願 全国50議会で意見書採択
写真:岐阜発「混合型血管奇形の難病指定を求める会」
北海道の混合型血管奇形の患者や家族が集まった初めての交流会。7家族の10人が参加した=今月3日、札幌市、北海道大学病院

 混合型血管奇形の難病指定を求める会(代表・飯尾良英中部学院大学短期大学部福祉学科長)が活動を始めて1年が過ぎた。岐阜県から始まった運動は全国に広がり、北海道や鹿児島県など6支部が発足。今月までに岐阜県を中心に福岡県、札幌市など全国各地の50近い地方議会が、国に対して難病指定を求める意見書を採択した。孤立していた患者や家族が手を結び始めている。

患者や家族をつなぐ

 今月7日、札幌市議会が意見書を採択した。小学2年生の長男が病気と闘っている増田里江さん(39)=北海道江別市=は「わたしたちの声が国に届く。すごくうれしかった」と話す。

 札幌市には専門医がいるため、この病気と診断された患者は比較的多い。だが、10月に北海道支部が設立されるまで、患者や家族をつなぐ組織はなかった。

 今月上旬には初めての交流会を札幌市で開いた。支部長の増田さんは「支部ができたおかげで、病気や治療の情報を積極的にやり取りすることができるようになった」と話す。道内のほかの自治体でも意見書提出の動きがあるという。

「難病指定を」

 福島県では、長女が混合型血管奇形の紺野正寿さん(38)、晶子さん(37)夫妻=同県郡山市=が立ち上がった。

 晶子さんは「難病指定を求める活動なんて思いもしなかった」というが、岐阜県で同会が結成されたとインターネットで知り、福島県支部を設立。署名も2万3000人分以上集めた。

 夫妻は10月初め、意見書採択を求める請願を同県議会に提出したが、県議会は10月の定例会では結論を出さず継続審査にしている。晶子さんは「原因も治療法も分からないこの病気に、目を向けてほしい」と希望を託す。

積み重なった悩みや不安

 「混合型血管奇形」という病名は英語の病名を訳しただけで、実は正式なものではない。全国の患者数も依然はっきりしない。今まで積み重なった患者や家族の悩みや不安が、「難病指定を求める会」がきっかけとなり、全国各地で噴き出している。

 署名はこの1年で30万人分を超えた。同会には今も全国から送られてくる。今春、小学校に入学した長女(7つ)が病気を抱え、難病指定を求める活動を始めた佐藤朋子さん(32)=加茂郡八百津町=は「1年でこんなに活動が広がるとは、夢にも思わなかった」と感謝する。

 同会は患者や家族の手記を来春に出版することを計画している。患者の苦しみや母の愛を、それぞれの言葉で伝えようとしている。

 同会の連絡先は、NPO法人ぎふ福祉サービス利用者センターびーすけっと、電話058(375)3181。

【混合型血管奇形】

 動静脈、リンパ管、毛細血管のうち、複数が先天的に形成不全になっている病気。外見は盛り上がったあざのようになっていることが多く、強打すると大量出血の危険もある。骨の成長に影響を与えるケースがあり、発症する部位によって症状も千差万別。痛みを抑えるなど対処療法が中心で原因は不明。