フォーカスぎふ

2009年 6月29日(月)

混合型血管奇形「難病指定を」全国へ広がる声

岐阜発の活動 国を動かす

厚労省が研究費助成 国会議員連盟も発足
写真:混合型血管奇形「難病指定を」全国へ広がる声
飼い犬と遊ぶ患者の佐藤萌々花さん。混合型血管奇形の難病指定を求める動きは全国に広がっている=加茂郡八百津町伊岐津志

 難病指定を求める活動が続く病気「混合型血管奇形」の医療研究が今月、厚労省の助成事業に採択され、全国規模で初めての本格的な医療調査が始まることになった。さらに超党派の国会議員による難病指定を求める議員連盟も発足。岐阜県から始まった活動は全国に広がり、少しずつ国を動かし始めた。

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 研究を始めるのは、斗南病院血管腫・血管奇形センター(北海道札幌市)の佐々木了センター長を中心とした医師グループ。今月、厚労省難治性疾患克服研究事業・研究奨励分野に採択された。

 助成額は年2千万円。この助成を元に研究班は診断基準の策定、患者の実態調査を始める。研究は3年計画だが、成果が出なければ1年で助成が打ち切られる可能性もある。国が医療研究を助成するのは難病指定への大きな一歩だが、必ずしも指定されるとは限らない。

 この研究による成果は今後、厚労省が難病指定をする際の判断資料になる見通しが高いという。佐々木医師は「医学的事実の解明、新規治療法の開発は急務。われわれの責任は重大だと自負している」と意気込む。

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 国会議員も動き出した。

 参議院議員会館で24日、「混合型血管奇形の難病指定を求める議員連盟」の設立総会が開かれた。

 会員は患者が居住する全国各地の与野党の国会議員31人。「混合型血管奇形の難病指定を求める会」(代表・飯尾良英中部学院大短期大学部教授)が4月、厚労省に署名提出した際に開いた国会議員向けの勉強会が、設立につながった。特定の病気についての超党派の国会議員連盟は少ないという。

 会長には藤井孝男参院議員(自民、参院岐阜)が就任。藤井議員は「議員連盟は患者や家族のサポーター。難病指定という目標のために努力したい。県内すべての市町村議会で難病指定を求める意見書を採択したのは岐阜県だけ。岐阜県発のこの活動を支えたい」と支援を約束する。

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 活動が始まるきっかけになった佐藤萌々花さん=加茂郡八百津町伊岐津志=は小学2年生になった。

 生き物が大好きでカブトムシの幼虫を育て、庭でトカゲを捕まえる元気な女の子だが自転車は乗れない。母親の朋子さん(33)が練習そのものを禁止しているからだ。

 左のおなかを中心に、異常に増殖した血管の固まりが広がっている。転んで打って大出血する危険がある。

 萌々花さんは自転車に乗れないことを気にしているという。今は小学校に歩いて通うが、中学校は自転車通学だからだ。「すぐ中学生になっちゃうよ。今から考えておかないと」と心配する。

 朋子さんは「医療研究が始まるのも議員連盟ができたのも心強い」と感謝。「国にこういう病気があることを知ってもらえたのは一歩前進。患者や家族もあきらめず、力を合わせていきたい」と話す。

(馬田泰州)

【混合型血管奇形の難病指定を求める会】

 血管やリンパ管などが先天的に形成不全の病気「混合型血管奇形」の難病指定を国に求め、2007(平成19)年に岐阜県で結成。全国に広がり、患者や家族によって10支部が設立されている。これまでに難病指定を求める署名約52万人分を厚労省に提出。難病指定を求める意見書は、岐阜県、北海道など4道県議会、全国67市町村議会が採択している。