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レースと調教以外では人懐っこいラブミーチャン。きゅう舎でも柳江仁調教師にじゃれ付き、愛きょうたっぷりだ=7日午後、羽島郡笠松町 |
デビューから無敗の5連勝でG1馬となった笠松競馬(羽島郡笠松町)所属の牝馬ラブミーチャンが12日、地元のレースに出場する。昨年12月に和解した土地返還訴訟や経営不振で暗い話題が続く笠松競馬場。“彼女”の活躍に地元は「笠松の快速娘」と沸き、同競馬場の知名度アップと集客へ大きな希望の光になっている。
ラブミーチャンは、ドクター・コパの愛称で知られる風水師小林祥晃さんが315万円で購入。血統などによって何億、何千万円で取引される競馬界では、期待が集まる馬ではなかった。
さらに競争馬に重要なでん部の筋肉が柔らかいとして、中央競馬では評価されなかった。小林さんは「オグリキャップなどを輩出した“名馬の里・笠松”なら、ゆったりと成長してくれるはず」と考え、柳江仁調教師(54)に預けた。
「お尻から後ろ脚の筋肉の付き方は抜群に良く衝撃を受けた」と秘めた素質を感じた柳江調教師。「低い姿勢で氷を滑るように走る」(柳江調教師)フットワークは、しなやかな筋肉が生み出しているという。
彼女の強さはもう一つある。「調教やレースの時と休養中の切り替えが上手」と抜群の集中力を褒めるのは、世話係の森崎隆きゅう務員(51)。「普段は人懐っこく、昼寝するくらいリラックス。本番は闘志むき出しで目がつり上がる」とひょう変ぶりを紹介する。
レースではスタートから先頭に立ち、自慢のスピードで逃げ切る戦術。これまでの5戦とも騎乗した濱口楠彦騎手(49)も「賢い馬。手綱にしっかり反応してくれる」と絶賛する。
中央競馬の春の牝馬G1「桜花賞」を狙う同馬にとって、12日のレースは同賞の芝コースとは足場が異なる砂コース。目標への調整には向いていない。しかし今回は「笠松競馬を盛り上げ、応援してくれたファンにも恩返しを」という小林さんの好意で参戦する。
オグリキャップの引退から20年。かつて安価の地方馬が中央のエリート馬を打ち負かす雄姿に感動したファンらは「一度は中央で挫折を味わったラブミーチャンにも再現を」と期待。笠松競馬出身で中央競馬で活躍する安藤勝己騎手(49)も「久々の期待馬。馬の走りを見たが(中央の)芝コースもこなせそう。笠松のためにも活躍を」とエールを送る。
経営陣も鼻息が荒い。競馬界全体で売り上げが伸び悩む中、笠松競馬場は土地の賃料が増え、新年度から地方競馬全国協会への交付金納付が始まる予定。交付金は納付延長の可能性が出てきたが、同競馬場を運営する県地方競馬組合管理者の広江正明笠松町長は「暗い話題が続いた競馬場にとって、ラブミーチャンは天の恵み。人間も頑張らないと」と喜び、快進撃を起爆剤に集客や笠松競馬の知名度アップを狙う。県にも競馬場整備へ資金面での援助を求めていく考えだ。
【ラブミーチャン】 笠松競馬に移籍する時に馬主の小林祥晃さんが「自分自身を愛して、じっくりと育て」との願いを込めて名付けた。昨年12月のG1レース「全日本2歳優駿」を制し、地方競馬全国協会から2歳馬初の年度代表馬に選ばれた。12日のレース後は、3月14日に阪神競馬場(兵庫県宝塚市)であるG2レース「報知杯フィリーズレビュー」に向かい、桜花賞の優先出走権を得るために3着入賞を狙う。
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