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宮川サトシさん(本名・宮川聡)

漫画家

「生」の実感得て自己表現

宮川サトシさん(本名・宮川聡)
漫画を通した自己表現を追求、「やりきって死にたい」と語る宮川サトシさん=東京・吉祥寺

 「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った」。母親を病気で失った悲しみを表した言葉は、最初の単行本の題名でもある。デビューから4年。ネット上で連載を続け、広告物の漫画も手掛ける。

 出身は岐阜市。大学2年の時、難治性の血液疾患を患った。「余命120日」。医師からの告知は「訳が分からず人ごとのようだった」。骨髄移植で奇跡的に回復したが、入退院を繰り返し、就職内定は取り消された。「社会から振り落とされ、どう生きてきたか分からなくなった」

 卒業後、県内で学習塾を経営し、漫画を描いた。本格デビューの直前、母親が病気で他界する。「漫画に描かないと、悲しみをはき出しきれなかった」。ネット上で話題を呼び、閲覧数を表すPV数は500万を超えた。

 闘病や母との死別は、独特の感性を育んだ。連載中の「情熱大陸への執拗(しつよう)な情熱」では、笑いの中に悲しみや怒りを描き込んだ。「30代になり、周囲の知人はくたびれ、年をとったと逃げている。自己表現に年齢は関係ない。生きている実感を得て、やりきって死にたい」。小説や作詞など「言葉に関わる仕事もしたい」。都内在住。38歳。

(岐阜新聞 2016年9月28日掲載)