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決勝(7月26日)
| 決勝 | 長良川 26日第1試合 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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決勝で勝利し校歌を歌った後、勢いよく応援席へ向けて駆け出す土岐商の選手たち
土岐商は初回1死一、三塁、4番矢田凌が左前適時打を放って先制、続く田中のスクイズで2点目を挙げた。1点差とされた六回には7番安福の適時打で加点。再び1点差の七回にも敵失の走者を矢田凌が左越え二塁打でかえし主導権を譲らなかった。先発矢田純は四回1死まで被安打0の好投でリズムをつくり、六回からはエース前田が奮闘、リードを守り切った。
県岐阜商は相手に先行を許すも、五回以降小刻みな加点を続け追いすがったが届かなかった。得点圏へ走者を進めながら無得点だった回が3度あり拙攻が目立った。

1回土岐商1死一、三塁、三塁線にセーフティースクイズを決める5番田中健嗣
2点差。この微妙な点差が昨年覇者の心にすきを与えた。
初回1死一、三塁。土岐商の矢田凌一はストライクを見逃す。1球目に「バント」と出ていたベンチからのサインは一転、「打て」。2球目、真ん中低めをたたいた打球は、遊撃手のグラブをはじいて抜けた。まず1点。
土岐商のリズムが続く。5番田中健嗣が三塁線にきっちり転がすセーフティースクイズ。わずか15球、鮮やかな先制攻撃で2点を奪った。三塁側の応援席を埋めた県岐阜商の大応援団を黙らせた。
2点差。「3点取ると相手が怒って、必死に追い掛けてきたかも知れない。実際、県岐阜商の打線は迫力を感じた」。工藤監督の思惑通りに試合が運ぶ。
まず、1イニングの失点は1に抑えた。六回、1点を返され、なお2死三塁。一、二塁間の痛烈な当たりを矢田凌が反応して横っ跳びキャッチ。「守備でリズムをつくった。一人一人の気持ちが強かった」と矢田凌。守備位置を細かく前後に動かし、打者の動揺を誘った。
そして、強力打線が失点直後の回に得点を奪い返す。七回には左越え適時二塁打で決勝点を挙げた矢田凌は「とにかく思い切って振りにいった」。早いカウントからコンパクトに振っていく打撃が、相手投手に重圧を与え続けた。
県岐阜商の藤田明宏監督は「追い掛けても点を取られ、チャンスではつながりを欠いた」。2点差ならいつでも追い付ける。そんな心のすきがあったかも知れない。
矢田凌は「気持ちの勝利」と言った。「正直、負けて当たり前だと思ってぶつかっていった。勝っても実感がわかなかったけど、みんなが喜んでいる姿を見て、いろいろな気持ちがこみ上げてきた」
秋季県大会はベスト8、春季県大会はベスト4。工藤監督が「一歩ずつ階段を上っていきたいね」と話していたチームは、階段を一気に飛ばして、県68校の頂点に登り詰めた。

3回途中でマウンドを降り、2番手各務隼大にボールを託す県岐阜商の先発桜田陽介(左)
県岐阜商は3年生3投手の継投で大量失点を食い止め、最後まで逆転の望みを失わなかった。藤田明宏監督は「弱いと言われていた投手陣の成長は評価したい。期待以上に投げてくれた」と健闘をたたえた。
先発はエース桜田陽介。前日には、背番号1を奪い合ってきたライバル松田侑樹が強豪大垣日大を無得点に封じる活躍を見せていた。「自分も負けるわけにはいかない」。しかし、その奮起が力みとなった。
流し打ちの得意な相手打線に内角攻めを心掛けたが、球筋をじっくり見極められ、ボールが先行。立ち上がりに2点を失い、三回にボール球が6球続いたところで無念の降板となった。「置きにいった球が外れ、焦ってしまった」と悔やむ。
エースの乱調で失いかけたムードを引き戻したのは、桜田、松田の2本柱をストッパーとして支えた各務隼大。六回途中からは前日91球を投げた松田が登板し、引き離そうとする相手に必死で食らいついた。
「ここまで来れたのはライバルと競い合ってきたおかげ」と話す桜田。「互いのいいところを伸ばして、一緒に成長できた」と松田が応じれば、各務は「先発2人がしっかりしていたから、自分は守護神になろうと頑張ってきた」と仲間の存在の大きさを語る。3年間、刺激し合い、支え合ってきた3人が最後のマウンドをつないだ。