「メーター戻し」巧妙化 中古車詐欺、再燃の兆し − 岐阜新聞 Web
「メーター戻し」巧妙化 中古車詐欺、再燃の兆し
2015年11月18日09:40
写真:「メーター戻し」巧妙化 中古車詐欺、再燃の兆し
岐阜県警が押収したメーター改ざんに使う機器=7月7日、岐阜羽島署

 中古車の走行距離を示すメーターを特殊な機器を使って巻き戻し、販売する新たな詐欺商法の手口が岐阜県内で出始めた。車検証に直近2回の車検時の走行距離が記載される仕組みを悪用し、短期間に2度車検を受けて実際の距離が分からないようにしていた。国土交通省は「同じ車で何度も車検にくる人は警察に連絡する」と警戒を強めるが、「車検の申請があれば拒否はできない」(関係者)ため根絶できない状況だ。

 県警は6、7月、二つのグループを相次いで摘発、詐欺容疑などで瑞穂市の中古車販売店経営の男ら7人を逮捕した。軽乗用車を中心に計170台を売りさばいたとされ、各務原市の男性などが被害に遭った。

 犯行グループは自動車修理業者に走行距離を実際の約21万キロから約3万8千キロに改ざんさせるなどして、1日のうちに車検を2度受け、ネットオークションを通じて販売していた。15万円以下で仕入れた車を30万円前後で売っていた。

 車検の有効期限は乗用車、軽乗用車ともに2回目以降は2年。軽自動車検査協会は「短期に2回も車検を受けるのは一般的に考えておかしいが、申請に必要な書類がそろっていれば、拒否できない」と説明する。

 「二重車検」(検察)で、実際の走行距離が隠され、車検証に嘘の走行距離が記載されれば、車の購入者が詐欺だと気付くのは不可能に近い。被害者は「改ざんされているとは夢にも思わなかった。本当に悔しい」「廃車寸前の車をつかまされた。怒りがこみ上げる」と憤慨する。

 中古車のメーターを巻き戻して販売する詐欺商法は古くからあったが、メーターがアナログからデジタルに変わって被害は減少傾向にあった。だが、デジタルメーターでも改ざんできる特殊な機器が出回り、新たな手口が昨年ごろから大阪や岐阜などで見られるようになった。機器はネットでも入手が可能だ。

 国交省は当面の対策として、同じ車で車検を繰り返す人がいれば警察にすぐに連絡するよう同協会と全国の運輸支局に求めている。