闇ルートどこまで 廃棄カツ横流し発覚から10日 − 岐阜新聞 Web
闇ルートどこまで 廃棄カツ横流し発覚から10日
2016年01月23日10:27
写真:闇ルートどこまで 廃棄カツ横流し発覚から10日
マルコメのみそなどが大量に積まれたみのりフーズの倉庫。転売できなかった製品とみられる=羽島市上中町長間

 愛知県稲沢市の産業廃棄物処理業者「ダイコー」がカレーチェーン店「CoCo壱番屋」の廃棄した冷凍カツを横流していた事件は23日、発覚から10日を迎えた。ダイコーからカツを購入した製麺業者「みのりフーズ」(岐阜県羽島市)の施設では、壱番屋のほかに大手メーカーやコンビニの廃棄商品が次々と見つかっている。捨てたはずの食品が市場に出回るという食の安全を揺るがす事態に、専門家は「食品廃棄のルールを厳しくしないと、また同じことが起きる」と警鐘を鳴らす。

 県の調査でみのりフーズの施設から見つかった製品は計108品目で、大半はダイコーから仕入れたという。県は販売元や製造元の所在地がある25自治体に調査依頼し、計22品目がダイコーから渡ったことが明らかになった。

 みのりフーズは2012年1月にめん類製造業の営業許可を受けたが、冷凍カツなどを扱うための食肉販売業の許可は得ていなかった。製麺機は昨夏から稼働しておらず、冷凍庫や倉庫には山積みされた段ボールが乱雑に置かれていた。県は許可を出す直前に立ち入り調査して以降、一度も立ち入りせず、施設の変化に気付けなかった。

 岐阜、愛知両県警は廃棄物処理法、食品衛生法違反容疑などでの立件を視野に入れ、本格的な捜査に乗り出しているが、事件の全容解明には時間がかかりそうだ。みのりフーズに取引を示す伝票などはなく、仕入れた量や転売先は実質的経営者の岡田正男氏(78)の記憶に頼るところが大きい。岡田氏は県に対し、直接関わった転売先として羽島市の弁当店と愛知県内の6業者を挙げているが、転売の量や時期は曖昧な証言が多い。県は「現時点での信用性は低い」と内容に懐疑的だ。

 施設内には返品や賞味期限内の製品も混ざっており、正規の商品と見分けがつかないケースもある。みのりフーズの施設内の108品目は氷山の一角で、岡田氏が実質的経営者になった12年1月以降、ダイコーに廃棄依頼された製品が市場に出回った可能性も否定できない。県担当者は「何が市場に流通しているか分からない」と頭を悩ます。

 岐阜大応用生物科学部の前澤重禮教授(食品流通科学)は「日本の食品は安全を優先するあまり、食品ロスが多く、その部分が裏目に出た」と指摘。廃棄方法については「ルールを厳しくすべき」とする一方、「安い食品にはリスクもある。なぜ安いのかを消費者は考えるべき」と話している。