認知症リスクに地域差 趣味やスポーツ参加割合と関連 − 岐阜新聞 Web
認知症リスクに地域差 趣味やスポーツ参加割合と関連
2016年02月02日09:13

 認知症になるリスクが高い高齢者の割合を市町村間で比べると約3倍の格差があることが、平成医療短大(岐阜市黒野)の加藤清人教授らの分析で分かった。趣味やスポーツの集団活動の参加割合が高い市町村ほど、認知症リスクが高い人が少ないという関連がみられた。

 大規模データを解析した結果で、認知症リスクを市町村の特性と関連付けた研究は珍しい。介護予防に向けた地域づくりへのヒントになりそうだ。

 加藤教授らは、認知症の初期に買い物などの活動能力(IADL)が落ちることに注目。@バスや電車を使った一人での外出A日用品の買い物B食事の用意−など5項目ができるかどうかを点数化して認知症リスクの指標とし、要介護認定を受けていない全国53市町村の約8万8千人のデータを分析した。県内市町村は含まれていない。

 その結果、前期高齢者(65〜74歳)でIADL低下者の割合を比べると、最多の自治体は23・2%で最小(7・9%)の約3倍。低下者は郊外や農村に多く、都市部は少なかった。

 一方、趣味との関連を調べたところ、趣味がある人の割合が高い市町村ほど低下者が少なく、女性は趣味・スポーツの会に週1回以上参加する人の割合、男性はスポーツの会への参加の割合で有意な関連が見られた。

 データは「日本老年学的評価研究プロジェクト」で集めたもの。加藤教授によると、認知症リスクについて大規模データを使い地域単位で調べた研究は初めてという。

 加藤教授は「作業療法士が重視してきた趣味や集団活動を促す地域づくりが、介護予防に役立つ可能性が裏付けられた」としている。