「安さ」への風評不安 廃棄カツ事件1ヵ月 − 岐阜新聞 Web
「安さ」への風評不安 廃棄カツ事件1ヵ月
2016年02月14日09:11
写真:「安さ」への風評不安 廃棄カツ事件1ヵ月
廃棄されるはずの食品が大量に見つかったみのりフーズ。製麺機は昨年夏ごろから稼働していないという=1月、羽島市上中町長間

 愛知県稲沢市の産業廃棄物処理業者「ダイコー」がカレーチェーン店「CoCo壱番屋」の廃棄カツを横流しした事件は13日、発覚から1カ月が経過した。ダイコーを通じて岐阜県羽島市の製麺業者「みのりフーズ」に入った製品が次第に明らかになる一方、海津市などでダイコーの無届け倉庫が見つかるなど食品廃棄の問題はさらに広がりを見せている。県内の小売店からは、安い食品の買い控えなどを懸念する声も上がっている。

 行政の流通経路の解明は難航している。みのりフーズの施設にあった108品目のうち廃棄品と判明したのは31品目どまり。42品目は照会先の自治体から「追跡困難」「流出経路不明」などを理由に調査終了となった。伝票類は残っておらず、実質的経営者の証言にはあやふやな部分も多い。県の担当者は「メーカーだけではなく、流通先の業者が廃棄依頼するケースもある。すべて追跡するのは困難」と調査の難しさを口にする。

◆小売店「企業努力の商品」強調

 「安い商品の信頼が損なわれれば、店にも客にもマイナス」−。瑞浪市土岐町の安さが売りのスーパー「ワンダー」の河瀬進社長はこの1カ月間、安価な商品に消費者が疑念を感じていないかと、不安が消えない。

 店の目玉は1個250円の手作り弁当。安くできるのには理由がある。公設市場に担当者が出向いて食材を仕入れ、手早く仕上げることで生産コストを減少。薄利でも経営を成り立たせている。河瀬社長は「安さはあくまで企業努力のたまもの」と強調する。

 岐阜市城東通のスーパー「セルフゆたか」城東店では、賞味期限が残り3カ月の冷凍食品や、コンビニから返品されたカップ麺などを不定期に仕入れる。倒産した小売店から商品をまとめて買い受けることもあるという。

 流通業界では仕入れ先を聞かないのが暗黙のルール。安江典晃店長は「仕入れは業者の倫理観に頼らざるを得ない。なぜ安いか分からないまま、小売店に流れる可能性は十分ある」。賞味期限の迫る商品を安く販売しても安全性に問題ないが、「まだ食べられる商品が、この事件で消費者に避けられるのでは」と不安視する。

◆消費者「何かあるのでは」買い控え

 ただ安さに対する不信感は消費者に根強い。愛知県一宮市の主婦(63)は事件発覚後、安売りの総菜や弁当の購入を控えるようになった。「何かあるのではと思ってしまう」。羽島市竹鼻町の主婦(51)は多少値は張っても手作りの食事を増やした。同市足近町の無職男性(69)は「もし知らずに食べていたとしたら恐ろしい。消費者は何も分からない」と話した。