帰れぬ故郷、苦悩今も 県内の原発避難者、心境語る − 岐阜新聞 Web
帰れぬ故郷、苦悩今も 県内の原発避難者、心境語る
2016年02月29日09:45
写真:帰れぬ故郷、苦悩今も 県内の原発避難者、心境語る
福島県などからの避難者と意見を交わす参加者たち=28日午後、岐阜市橋本町、ハートフルスクエアーG

 東日本大震災からまもなく5年を迎えるのを前に、福島県などから岐阜県に避難している人の話を聞く集いが28日、岐阜市橋本町のハートフルスクエアーGで開かれた。「今でも避難したことが良かったかどうか分からない」。避難者は避難先での生活の苦労、原発事故による放射能の健康への影響に不安が続いていると語った。

 福島県浪江町から下呂市に避難する中学3年の佐藤さんは、避難先の小中学校でいじめられた経験を語った。靴に「福島に帰れ」と書いた紙を入れられるなど、つらい日々が続いたという。4月からは高校に進学が決まり、「これからは命を大切に前向きに生きる」と決意を語った。

 放射能から「子どもを守るため」と福島県南相馬市から下呂市へ避難している小野さん。国が安全とする年間被ばく線量の数値に「福島県外に避難する人を帰還させようとしているよう」と疑問を投げかけた。

 福島県いわき市から岐阜市に自主避難している小湊さんは「岐阜の近くにも原発はある。未来の子どもたちのため考え続けてほしい」と訴えた。

 避難先で家族以外に相談相手が居なくて体調を崩した人の報告もあった。

 自主避難者に対する住宅の無償提供は来年春、打ち切りとなる。「岐阜の地には慣れたが、支援制度打ち切りで思いは複雑だ」。避難者らは放射能の影響に不安を抱きつつも経済的事情で帰還の選択を余儀なくされることに、揺れる心境を切々と語った。

 集いは、被災地や避難者の支援活動などに取り組む認定NPO法人レスキューストックヤード(名古屋市)が開いた。県内外の支援者ら約100人が耳を傾け、今後の支援の在り方を考えた。