「お涙頂戴の芝居せず」 映画「あん」樹木希林さんが講演 − 岐阜新聞 Web
「お涙頂戴の芝居せず」 映画「あん」樹木希林さんが講演
2016年03月06日09:48
写真:「お涙頂戴の芝居せず」 映画「あん」樹木希林さんが講演
映画「あん」で演じたどら焼き屋に勤めるハンセン病元患者の格好で講演する樹木希林さん=岐阜市日ノ出町、シネックス

 映画「あん」でハンセン病元患者を演じた役者樹木希林さんが5日、岐阜市日ノ出町の映画館シネックスで講演した。役づくりのためハンセン病療養所に元患者を訪ねて話を聞いたことを明かし、「過酷な思いをしながらも明るく一生懸命生きておられる姿に触れ、お涙頂戴の芝居はしないと決めた」と撮影に臨んだ心境を語った。

 岐阜ゆかりの映画人を紹介する岐阜新聞・映画部の企画「シネックス映画塾」の一環で、「あん」の配給会社社長増田英明さん=岐阜市出身=とのトークショーを2回実施、計約600人が訪れた。

 元患者であることが噂となって勤め先のどら焼き屋を去った老女を演じた樹木さんは役のかっぽう着姿で登場。ロケ地となった都内の療養所で元患者と握手した際、指のない丸い手だったことに衝撃を受けたことや、鹿児島県の療養所を訪れ、14歳の頃から暮らす女性から父親に置き去りにされ、名前を変えられて園生活が始まった経験を聞いたと紹介。

 「60時間分撮影し、使われた映像は氷山の一角だが命に対する監督の思いは一貫して残った。上映が続くのは映画人にとって一番の喜び」と語った。

 同館での上映(18日まで)に合わせて、同市のみんなの森ぎふメディアコスモスでも世界のハンセン病に関する写真展(日本財団主催)が17日まで開かれている。