練習困難な環境克服 多治見高センバツ切符 − 岐阜新聞 Web
練習困難な環境克服 多治見高センバツ切符
2017年01月28日09:32
写真:練習困難な環境克服 多治見高センバツ切符
21世紀枠で初の選抜高校野球大会への出場が決まり、帽子を投げて喜ぶ選手ら=27日午後3時51分、多治見市坂上町、多治見高校

 日本一暑い街の球児たちが聖地を沸かせる−。27日、第89回選抜高校野球大会に岐阜県勢初の「21世紀枠」での出場が決まった多治見高(多治見市坂上町)。限られた時間と施設での練習、学業との文武両道に取り組み、センバツ切符をつかんだ選手たちは、決意を新たに夢の舞台での活躍を誓った。

 午後3時、吉報が学校に届いた。授業を終えた選手らは土本泰校長から「選抜大会出場の連絡を受けました」と伝えられると、笑みをこぼし、目に涙を浮かべた。取材対応を終えた同4時には普段と変わらず、真剣なまなざしで練習に臨んだ。

 「練習時間が少ないので1分1秒が大切」と佐藤昂気主将(17)。進学校の同校は、平日は午後6時30分までの完全下校が定められている。国公立大の進学を目指す部員も多く、佐藤主将ら数人は28日に全国模試を控える。

 市内の小学校より狭いグラウンドは他部と共有。練習時間と場所の確保が困難な中、バドミントンのシャトルで打撃練習するなど工夫を凝らした効率の良い練習を続け、昨秋の県大会で優勝し、東海大会でも準優勝した至学館(愛知県)と接戦を演じた実力が評価された。

 「可能性は五分五分以下と思っていた。みんなの力でつかみとった出場。うれしい」とエースの右腕河地京太選手(17)。捕手の山田智也選手(17)も「高校野球と言えば甲子園。プレーが楽しみ」と笑顔を弾けさせた。

 野球部は20年ほど前、部員数の減少や指導者不足などのため、廃部の危機があった。この時、多治見市役所職員で強豪の東海大相模高(神奈川県)出身の高木裕一監督(54)が就任し、チームを着実に成長させてきた。「選抜出場は選手一人一人が目標に向かって頑張った成果」と感極まったが、すぐに甲子園に向け、表情を引き締めた。佐藤主将も「地域の人からの『頑張ってね』の声を励みにしてきた」と話し、「まずは1勝を目指し、支えてくれた人たちに恩返ししたい」と力を込めた。