織田信長居館に癒やしの谷川 − 岐阜新聞 Web
織田信長居館に癒やしの谷川
2017年02月02日09:06
写真:織田信長居館に癒やしの谷川
発掘により明らかになった谷川の川底。趣のある流れや水音をもたらす複数の庭石や人工の段差が見つかった=1日午後、岐阜市、岐阜公園

 岐阜市教育委員会は1日、岐阜公園内にある織田信長居館跡の発掘調査で、敷地中央を東西に流れていた谷川の底から複数の庭石や人工の段差が見つかった、と発表した。庭石は流れを複雑にして川面を美しくする仕掛けとみられ、段差は水音を出すためと推測。谷川には橋が架かっていたことが分かっており、市教委は「橋の上に立つと“山水画の世界”が広がり、水の音も響いてくる五感で楽しめるスポットだった」との見立てを示した。

 谷川は幅約2〜2.5メートル。庭石は約60センチ四方のチャート石で5〜6個見つかった。岩石の一部は川面から出ており、流れに趣向を凝らしたとみられる。

 さらに高さ約15センチの段差も生み、小さな滝を作ったと想定。段差そばでは橋脚を支えていたと思われる川原石の礎石も見つかった。 京都造形芸術大の仲隆裕教授(日本庭園史)は「橋を渡るときに足元から水音が(反響し)聞こえていたと考えられ、景色とともに音を楽しむ仕掛けでは」と推測している。

 市教委はこれまでの調査で居館は迎賓館の色合いが強かったとしており、山肌が岩盤という地形を生かしながら複数の滝や池を配することで信長が「山水画の世界」を演出したと推測。橋の上からは谷川上流に石組みで造った滝も正面に見え、「谷川そのものが庭園の“魅せる装置”だった」と考察している。

 今回の調査ではほかに、金箔(きんぱく)瓦を使った中心建物の入り口が予想された直線でなく、巨石を並べた壁により直角に左へ折れ曲がる構造だったことが判明。史跡岐阜城跡整備委員会委員長で滋賀県立大の中井均教授(日本城郭史)は「巨石を見せつける構造は信長が来訪者に権威を示すための演出」と分析する。

 中心建物の南には七つ目の池も見つかった。市教委は4日午前10時から発掘調査現場を公開する。小雨決行。


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