郡上からクロカン選手を 元五輪選手の挑戦 − 岐阜新聞 Web
郡上からクロカン選手を 元五輪選手の挑戦
2017年02月03日09:03
写真:郡上からクロカン選手を 元五輪選手の挑戦
児童と一緒に滑りながら、こつを伝授する籏修子さん(右)。クロスカントリースキー競技の活性化を目指す取り組みが始まった=2日午前11時14分、郡上市白鳥町中西、牛道小

 来年、全国高校スキー大会距離競技が岐阜県郡上市で開かれる。だが、距離は全国的に競技人口が少なく、本年度の同大会(群馬県片品村)県予選出場者は男子7人、女子にいたっては1人しかいない。「郡上を拠点に苦境を脱し、五輪選手を輩出できるような土壌をつくりたい」とぎふ清流国体覇者で、元五輪選手の籏修子(のぶこ)さん(36)=旧姓福田=が挑戦を始めた。2日、手始めとなる同市内初のクロスカントリースキー教室を白鳥町の牛道小学校で開いた。

 籏さんは2002年のソルトレークシティーから3大会連続で五輪に出場。06年トリノでは女子団体スプリントで8位入賞も果たした国内女子の第一人者だ。07年、ぎふ清流国体への強化が続く県勢に加入。11年には市内でレストランを営む夫と結婚し、12年の同国体を最後に引退後も郡上に根を下ろしている。

 第二の故郷郡上市について籏さんは「スキー場が多く、子どもが競技に取り組みやすい環境は私の故郷・青森県大鰐町に似ている」と可能性を感じてきた。引退後、出産、育児に追われ、スキー板を履く機会がなかった約3年間も「温かく迎えてくれた郡上の皆さんに恩返しがしたい」との思いを募らせてきた。昨年度、同市のスポーツアドバイザーに就任したが、暖冬の影響で教室が中止。この日、1年越しに思いが実り、牛道小の5、6年生計22人を対象に同小グラウンドでスキー教室を開いた。

 初心者ばかりで、ストックを使っておそるおそる滑っていた児童も、元五輪アスリートの的確なアドバイスでみるみる上達。あっという間に約1時間の教室が終わり、残念そうに引き揚げる児童も。見送った籏さんは「とても上達が早くて驚いた。『楽しかった』という子どもたちの一言が何よりうれしかった」と?を緩ませた。

 だが視線はその先にある。「私が3歳からクロスカントリースキーを始めた故郷大鰐町のように住民との距離を密接にしたい」。その中から五輪アスリートが誕生することに期待が高まる。目を輝かせる籏さんと、郡上市にとって、間違いなく大きな一歩を刻んだ一日となった。


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