県内避難の女性、永住決意 東日本大震災から6年 − 岐阜新聞 Web
県内避難の女性、永住決意 東日本大震災から6年
2017年03月11日08:39
写真:県内避難の女性、永住決意 東日本大震災から6年
「高山で子どもを育て、福島を見守りたい」と語る五十嵐浩子さん=高山市新宮町、新宮小学校

◆「高山から福島見守る」

 東日本大震災から11日で6年。福島第1原発事故による居住制限が31日に解除される福島県浪江町から岐阜県高山市に避難した五十嵐浩子さん(33)=同市松之木町=は同市への永住を選び、市内に購入した家に先月引っ越した。10日、同市新宮町の新宮小学校で講話し「私は高山で子どもを育てて、福島を見守り続ける」と語り、長かった避難生活を終える決意を表した。

 震災当時は、浪江町にある夫の実家に住んでいた。津波被害はなかったが、放射能汚染のため2011年5月に家族と同市へ避難。借り上げ住宅で生活を始めた。「福島には戻らないと決めていたが、他の場所に移り住むことも考え、地に足が着いていなかった」と振り返る。

 子育てや、同市への避難者でつくる「みちのく結心会」の代表として講話に赴く忙しい日々が続き、浪江町より高山市で暮らした期間の方が長くなった。「この春6年生になる長男も、私が分からない飛騨弁を話すほどなじんだ」。同市に住み続ける考えを長男に伝えると「やった」と喜び、意思が固まった。「子どもたちの古里は高山。子どもが笑顔でいられる場所で暮らしたい」と3児の母は語る。ただ、福島県で働く夫と別々に暮らしていくと決めることにもなった。

 講話では「震災で生きられなかった人の分も命を大切にしてほしい」と全校児童に語り掛けた。今後も、新たな古里で震災の体験を伝えるとともに、福島の復興を見守っていく考えだ。