旧型パチンコ台やゲーム機展示 岐阜レトロミュージアム − 岐阜新聞 Web
旧型パチンコ台やゲーム機展示 岐阜レトロミュージアム
2017年03月15日09:46
写真:旧型パチンコ台やゲーム機展示 岐阜レトロミュージアム
思い出深いパチンコ台を前に「親子で楽しむ姿を見掛けると、よい光景だなあと感じます」と語る杉本勇治さん=山県市椎倉、岐阜レトロミュージアム

 岐阜県山県市役所から車で北に約10分の場所にある「岐阜レトロミュージアム」(同市椎倉)。レトロな外装の建物に足を踏み入れると、懐かしいパチンコ台やアーケードゲーム、珍しい自動販売機がそろう。昭和に青春を過ごした大人も、知らない子どもも夢中になれる空間が広がる。

 運営者は旧型のパチンコ台を求めて全国各地を巡り、遊ぶことが趣味の館長杉本勇治さん(41)=岐阜市=。館内には1980、90年代のレトロなパチンコ台が約40台、喫茶店やデパートにあったゲーム機、オートレストランの自販機などを置く。週末ともなれば、200人以上が訪れることも。会員制交流サイト(SNS)などで話題となって、東海3県を中心に関東や関西のナンバーも駐車場に並ぶ。照明や壁紙、カウンターも“昭和”の雰囲気にこだわり、タイムスリップしたような感覚を味わえるように徹底。丸一日、遊ぶ男性もいるという。

 時間を見付けては「(レトロな台を求めて)全国を行脚しながら打ちに行った」。旧型の台が次々と姿を消し、共通の趣味を持つ仲間の居場所がなくなっていく現状が気掛かりになった。「誰かが残さないといけない。仲間のオアシスを作りたい」。10年ほど前から台を探しに飛び回り、ミュージアムの構想を練った。閉店するパチンコ店を訪ねては交渉し、ネットオークションでも探した。数千円から100万円の台も。2500台近くを保管している。

 4年前、体調を崩して建設会社を退職したことを機に、ミュージアムの実現に向けて本格的に準備を進めた。金融機関から融資を受けられる見込みも立ち、営業許可を受け、父の知人から購入した倉庫を改装。家族や友人の応援も得て、昨年9月開店にこぎ着けた。金曜〜月曜日に営業している。

 オープンから半年以上がたち、家族連れが多いことに気付いた。親が子どもとゲーム機やパチンコ台に向かっている。「自分の子どもにもやらせてあげたい人が多かったのではないか」。自身の幼少期を思い出し、その姿を重ねた。「古き良き文化を後世に残したい」と目を細めた。

【記者のひとこと】

 取材に訪ねたのは日曜日だった。家族連れやカップル、男性グループでにぎわう館内。平成生まれとみられる人たちがスマートフォンで写真を撮影する姿が目立った。インスタグラムやツイッターに投稿するのだろう。

 杉本勇治さんは、彼らの目には新鮮にも映る光景の細部にこだわった。山を背にし、そばに新しい家が建っていないことも場所選びの決め手になったという。「昭和を出すための借景なんです」。あふれる思いが、妥協しない姿勢から伝わってきた。