平昌で「金」夢じゃない 堀島選手インタビュー − 岐阜新聞 Web
平昌で「金」夢じゃない 堀島選手インタビュー
2017年03月16日08:30
写真:平昌で「金」夢じゃない 堀島選手インタビュー
今季の戦いぶりを振り返る堀島行真=岐阜第一高

 フリースタイルスキー男子の世界選手権で、史上初めてモーグルとデュアルモーグルの2冠に輝いた堀島行真(中京大、岐阜第一高出)。今季の戦いぶりを振り返りながら、一躍ブレークを果たす上で転機となった大会や、開催まであと1年を切った平昌冬季五輪への思いを探った。

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 周囲を驚かせた急激な成長曲線で世界選手権2冠という離れ業を成し遂げた堀島。「平昌冬季五輪で金メダル」が夢から現実的な目標へと一変した。今季前半戦は、昨季ワールドカップ(W杯)の新人王に相当するルーキーオブザイヤーに輝いた選手とは思えない不完全燃焼のレースが続いていた。「高難度の技を含めた完璧な滑り」を追求し過ぎるあまり空回りしていた。W杯3戦目までで最高成績は12位。加えて、昨年1月に負った右膝外側側副じん帯の部分断裂の影響もあり「得点を意識して、きれいな滑りにまとめようとしていた」と知らず知らずのうちに慎重な滑りに抑えてしまっていたという。だがタイムも伸びない上、得点も出ない。「優勝だけを意識し、攻め続けることが大切だと気付かされた」。それが大きな転機となった。

 勝ちへの追求は「アイデンティティー」と自負するエアの構成にも変革をもたらした。2月中旬のW杯田沢湖大会までは、ダブルフルツイスト(後方宙返り2回ひねり)という最高難度の技を入れたが「両足の曲がりなど、技の不備を指摘されて減点されていた」と変更。第2エアで跳んでいたコーク1080(縦方向に1回転し、横3回転)を第1エアにし、第2エアはコーク720(同横2回転)にした。エアだけに固執せずターン技術やタイムなど総合での勝負を選択したことで、2月末の札幌冬季アジア大会と、今月の世界選手権では全4種目で頂点に立った。

 だが世界の頂点に初めて立っても全く満足感はなかった。「優勝以上に、完璧で最高の滑りをすることが、僕の中では最も大切だと感じた」と再び理想とするパフォーマンスを追求する欲求がふつふつと沸き上がった。視線の先にあるのはもちろん来年の平昌五輪。「さらに技術を磨き、納得できる金メダルを獲得する」と気持ちを高めた。