板取の資源生かし自活 地域おこし隊員長屋さん − 岐阜新聞 Web
板取の資源生かし自活 地域おこし隊員長屋さん
2017年03月19日09:06
写真:板取の資源生かし自活 地域おこし隊員長屋さん
自作のくくりわなを手にする長屋公平さん。発電用の水車も作った=関市

 「水、木材資源、動物の肉など、板取には資源が満ちあふれている。それらを生かせば生活できることを示したい」―。岐阜県関市の地域おこし協力隊員として板取地域で生活する長屋公平さん(34)。得意の金属加工技術を発揮し「田舎暮らし」の可能性を模索している。

 長屋さんは各務原市に住み、自動車部品メーカーに勤務していたが、「都会暮らしには向いていない。田舎で暮らしたい」と一念発起。昨年5月に同協力隊員となった。妻子を家に残した“単身赴任”。「妻には『やりたいことをしたら』と理解してもらった。感謝している」と話す。築100年以上の民家を借り、改修しながら生活している。「地元の人に最初は『誰?』という顔をされたけど、話をしたら『よく来てくれた』と言われた」とすっかりなじんだ様子。

 念願の田舎暮らしにはメーカーで磨いた技術が生かされた。まずは家の近くの湧き水に着目。100円均一ショップで買った12本のスプーンを、自転車用発電機にハンダで固定して水車を作り、3ワットの発電に成功した。玄関照明に利用しており「将来的には獣害用防護策の電力に利用したい」と話す。

 獣害は板取地区でも深刻な問題だ。「地元の人がこの2、3年でシカが増えたと話している。自分でも貢献したい」と作っているのがくくりわなだ。ワイヤや金属板を加工して作った。うまくいかず15個は作ったというが「やっと先日シカが1匹かかった。もちろん食肉にした。わなを商品化できるだけの質に向上させるのが目標」と意気込む。

 屋内のまきストーブの燃料は、借りている山林から切り出した。「都会生活のように何でもお金で解決するのではなく、工夫や自分の力で解決する、という今の生活は楽しい。ただ、協力隊員の任期はあと2年ほど。それまでに自力で生活できる手段を築きたい。今は3歩進んで2歩下がる、といった毎日」と知恵を絞り続ける。