アンモニアから水素 岐阜大教授ら製造装置を開発 − 岐阜新聞 Web
アンモニアから水素 岐阜大教授ら製造装置を開発
2017年03月22日08:54
写真:アンモニアから水素 岐阜大教授ら製造装置を開発
試作機に用いたプラズマ膜反応器を示して説明する神原信志教授=岐阜市柳戸、岐阜大

 岐阜大次世代エネルギー研究センター長の神原信志教授(55)=化学工学=が、アンモニアを原料に水素を製造する装置の試作機を開発し、21日、「実用化のめどが立った」と発表した。プラズマを用いることで触媒を使わずに常温で高純度の水素をつくり出せるのが特長で、燃料電池に利用可能なことも確認した。産業・家庭用の発電機や自動車への利用を視野に入れており、2020年までの製品化を目指す。

 群馬県の電装品メーカー澤藤電機との共同研究で、アンモニアから無触媒で高純度の水素を製造できる装置は世界初という。水素を使う燃料電池は次世代エネルギーとして注目されているが、水素は蓄えたり運んだりするために氷点下252.9度に冷却して液体にしたり、高圧で圧縮する必要があり、取り扱いは難しい。

 一方、アンモニアは高圧下でなくても20度で液化するなど貯蔵や運搬に適しているが、従来は水素を発生させるために400〜800度の高温下に置き、触媒として貴金属を用いており、コストの高さが課題だった。

 神原教授らは、低温プラズマの電子エネルギーでアンモニアを分解する技術を開発。試作した装置は、長さ約40センチ、直径約4センチの石英ガラスの円筒内に電極にもなる合金製の水素分離膜を設けた二層構造のプラズマ膜反応器と、プラズマ発生用の高電圧電源を組み合わせた造り。反応器にはアンモニアの混入を防ぐ働きもあり、装置を稼働して2〜3分で限りなく100%に近い純度の水素を生成できた。

 装置の容積は液化アンモニアのタンクとセットで120リットル程度で、現在、燃料電池車が積んでいる高圧水素タンクとも置き換え可能なサイズ。神原教授は「アンモニアは燃えにくく安全で、コストは重油や軽油の半分以下。エネルギー効率をさらに高め、普及にこぎつけたい」と語った。